はかせ、火星の氷の中に昔の生き物が残ってるかもしれないって本当?
その通り! NASAの実験で、火星みたいな環境の氷の中なら、生命の材料が何千万年も残れることが分かったんです
火星の極地には巨大な氷の層がある。もしかしたらそこに、数千万年前の生命の痕跡が冷凍保存されているかもしれない。そんな期待を抱かせる実験結果が発表された。
氷の中でアミノ酸はどれだけ生き残れるのか


実験室で火星環境を再現
研究チームは実験室で、火星の極地を模した環境を作り出した。温度はマイナス196度まで下げ、宇宙放射線を浴びせ続ける過酷な条件だ。
この中にアミノ酸を含んだ氷のサンプルを置いた。アミノ酸はタンパク質の材料で、地球上のあらゆる生命が使っている基本部品だ。火星に生命がいたなら、似たような物質を使っていた可能性が高い。
実験では純粋な氷と、火星の土壌成分を混ぜた氷の2種類を用意した。
純粋な氷なら5000万年も保存可能
結果は驚くべきものだった。純粋な氷の中では、アミノ酸が数千万年単位で残ることが分かったのだ。
宇宙線は生命にとって大敵だ。DNAやタンパク質を容赦なく破壊する。地球には大気と磁場があって守られているが、火星にはそれがない。地表は常に宇宙線にさらされている。
ところが氷の中だと話が違う。氷が天然のシールドになって、放射線のダメージを大幅に減らしてくれる。研究チームの計算によれば、火星の極地の氷なら、最大5000万年間もアミノ酸が検出可能な状態で残るという。
土が混ざると一気に劣化する
ただし条件がある。氷が純粋でなければならないのだ。
火星の土壌成分を混ぜたサンプルでは、アミノ酸の分解速度が100倍以上も速くなった。わずか数十万年で検出できなくなってしまう計算だ。
なぜこんなに違うのか。火星の土には過塩素酸塩という物質が大量に含まれている。これが放射線と反応すると、強力な酸化剤に変わる。有機物を次々と破壊してしまうのだ。
火星探査の新しい戦略が見えてきた


狙うべきは純粋な氷の層
この発見は、今後の火星探査に大きな影響を与える。生命の痕跡を探すなら、土が混ざっていない純粋な氷の層を狙うべきだということだ。
火星の極地には、層状になった氷の堆積物がある。まるで年輪のように、何百万年もの歴史が刻まれている。その中には、土がほとんど混ざっていない純粋な氷の層もあるはずだ。
NASAは現在、火星の北極と南極に注目している。人工衛星からのレーダー観測で、氷の内部構造を調べている最中だ。
地下の氷も有望なターゲット
極地以外にも可能性がある。火星の中緯度地域には、地下に埋もれた氷の層が広く分布していることが分かっている。
地下数メートルの深さなら、宇宙線からの防護はさらに強化される。表面の土が追加のシールドになってくれるからだ。ただし、その氷が純粋かどうかは掘ってみないと分からない。
火星探査ローバーの次世代機には、地下を掘削する装置を搭載する計画が進んでいる。氷のサンプルを採取して、その場で分析する技術も開発中だ。
サンプルリターン計画への期待
究極のゴールは、火星の氷を地球に持ち帰ることだ。NASAとヨーロッパ宇宙機関が共同で進めるマーズ・サンプル・リターン計画では、2030年代に火星のサンプルを地球に届ける予定だ。
地球上の最先端の分析装置を使えば、火星探査機では見逃してしまうような微量の有機物も検出できる。過去の生命活動の決定的な証拠を見つけられるかもしれない。
火星の生命探査が新段階へ


タイムカプセルとしての氷
火星の氷は、巨大なタイムカプセルだと言える。数千万年前の環境がそのまま保存されている可能性がある。
火星は今でこそ乾燥した寒冷な惑星だが、30億年以上前には、液体の水が地表を流れていた証拠がある。その頃の火星は、もっと温暖で生命が存在できる環境だったかもしれない。
気候が変化して寒冷化すると、水は凍って氷になった。もし当時の生命がいたなら、その痕跡も一緒に氷の中に閉じ込められたはずだ。今回の研究は、その痕跡が今でも残っている可能性を示している。
木星の衛星エウロパにも応用可能
この研究成果は、火星だけでなく他の天体の探査にも役立つ。
木星の衛星エウロパは、厚さ数十キロの氷の殻に覆われている。その下には液体の海があると考えられている。もしエウロパに生命がいるなら、氷の中に痕跡が残っているかもしれない。
土星の衛星エンケラドゥスも同様だ。この衛星は間欠泉のように水蒸気を宇宙空間に噴き出している。その氷の粒子をサンプル採取すれば、生命の痕跡を見つけられる可能性がある。
次の10年で何が分かるか
火星探査は今、転換点を迎えている。これまでは「水があったかどうか」を調べる段階だった。これからは「生命がいたかどうか」を直接探す段階に入る。
NASAのパーサヴィアランス探査車は、現在も火星のクレーター内で岩石サンプルを採取し続けている。ヨーロッパの探査車ロザリンド・フランクリンは、地下2メートルまで掘削できる装置を搭載して、2028年に打ち上げられる予定だ。
今回の研究は、これらのミッションに明確な方向性を示した。純粋な氷を探せ。そこに答えがある。
氷の中に何千万年も前の生き物の痕跡が残ってるなんて、なんかロマンあるね!
本当にそうですね。次の10年で、火星の氷から驚くような発見があるかもしれませんよ
火星の極地は、太陽系最大級のタイムカプセルかもしれない。人類がその扉を開く日は、そう遠くない。
参考文献:
NASA study finds ancient life could survive 50 million years in Martian ice
出典: ScienceDaily










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