2026年3月3日、月が地球の影に入り、夜空に赤銅色の「ブラッドムーン」が浮かぶ。皆既月食だ。皆既の時間帯は約1時間。特別な道具はいらない。ただ空を見上げるだけで、この天体ショーを楽しめる。
どこで見える? 観測エリアと時刻

北米 — 全域で最初から最後まで見える
今回の月食を最も良い条件で観測できるのは北米全域だ。アメリカ、カナダ、メキシコのどこからでも、月が地球の影に入っていく瞬間から出てくるまでを見届けられる。
部分食が始まるのは、アメリカ東海岸で午前3時頃、西海岸では深夜0時頃。そこから約1時間で皆既食に入り、赤い月が夜空に浮かぶ時間がおよそ1時間続く。
オーストラリア・NZ — 赤い月が地平線から昇る
オーストラリアとニュージーランドでは、3月3日の夕方から観測できる。月が昇ってくる時点で既に地球の影に入っている「月出帯食」と呼ばれる珍しい光景になる。
シドニーやメルボルンでは、東の空から赤い満月が昇ってくる。地平線近くの月は大きく見える錯覚もあって、いつもより迫力のあるブラッドムーンになりそうだ。
日本からは見えない — でもライブ配信あり
日本からは今回の月食は観測できない。月が沈んだ後に月食が始まるタイミングだからだ。ただし中国東部、韓国、極東ロシアの一部では、月食の終盤を見られる可能性がある。
日本にいても、NASAなどがライブ配信する可能性が高い。リアルタイムでブラッドムーンを楽しむことは十分できる。
月が赤くなる仕組み

皆既月食は、太陽・地球・月が一直線に並び、月が地球の本影(濃い影)にすっぽり入る現象だ。影に入ったのに真っ暗にならないのが面白い。
理由は地球の大気にある。太陽の光が大気を通過するとき、青い光は散乱されて消え、赤い光だけが大気を回り込んで月に届く。夕焼けが赤いのと同じ原理で、地球の大気がレンズのように赤い光だけを月に投影しているのだ。
月食のたびに色が違うのも面白い。大気中の塵が多ければ暗い赤茶色に、大気が澄んでいれば明るいオレンジ色になる。火山噴火の直後は特に暗くなることが知られている。2026年3月3日のブラッドムーンがどんな色になるかは、当日の地球の大気次第だ。
月食の色を見れば、地球の大気の状態がわかるんですよ。まさに宇宙に浮かぶリトマス試験紙ですね
撮影のコツと次のチャンス

スマホで撮るなら三脚は必須
月食は肉眼で十分楽しめる。日食と違い、直接見ても目を痛める危険はない。双眼鏡があれば月面のクレーターまで見えて、さらに楽しめる。
スマホで撮影するなら三脚でしっかり固定すること。夜景モードかプロモードで露出を長め、ISO感度を800〜1600に設定すると赤い月の色がきれいに写る。一眼レフなら望遠レンズでクレーターまで狙える。シャッター速度は皆既中で1/60秒〜1秒が目安だ。
10分おきの連続撮影で「時間の流れ」を残す
月食は数時間かけてゆっくり進む。10分おきに撮影して並べると、月が欠けていく過程と色の変化が記録できる。「比較明合成」というアプリを使えば、空に月が連なる幻想的な1枚に仕上がる。
次に日本で見られるのはいつ?
日本で次に皆既月食が見られるのは2025年9月8日。夕方から宵にかけての時間帯で、観測条件は良好だ。さらに2026年8月28日にもチャンスがある。皆既月食は年に数回起きるので、見逃しても次は意外と近い。
参考文献:
Where to see the total lunar eclipse in the early hours of March 3
出典: Space.com
アイキャッチ画像: Photo by utsav siwakoti on Unsplash


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