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中国の「人工太陽」が科学者も驚く核融合記録を更新!

2026 3/17
テクノロジー
2026年3月17日
🕑この記事は約6分で読めます
シルミー

はかせ、中国が太陽を作ったって本当なの?

はかせ

人工太陽と呼ばれる核融合実験装置のことですね。実はつい最近、科学者たちが「これ以上は無理」と考えていた限界を突破する記録を出したんです

中国科学院のEAST(全超伝導トカマク型核融合実験装置)が、プラズマの温度と安定性で新記録を樹立した。これまでの常識を覆す成果に、世界中の核融合研究者が注目している。

目次

人工太陽って何?

ドーナツ型の核融合実験装置
Photo by Sean P. Twomey on Pexels

太陽と同じエネルギーを地球で作る

太陽は水素を燃料に、核融合反応で光と熱を生み出している。この反応を地球上で再現しようというのが核融合発電の基本アイデアだ。

太陽の中心部は約1500万度という超高温で、水素原子同士がぶつかって融合し、ヘリウムに変わる。このとき莫大なエネルギーが放出される。

人工太陽は、この反応を地上で起こすための巨大な装置だ。ドーナツ型の容器の中に水素ガスを閉じ込め、強力な磁場で浮かせながら超高温に加熱する。

なぜドーナツ型なのか

核融合には1億度以上の超高温が必要だが、そんな温度に耐える容器は地球上に存在しない。そこで考え出されたのがトカマクという方式だ。

ドーナツ型の容器の中で、プラズマ(超高温のガス状態)を磁場の力で宙に浮かせる。容器の壁に触れさせないことで、理論上は何億度でも加熱できる。

中国のEASTは、この磁場を作り出すコイルに超伝導材料を使っている。電気抵抗がゼロになるため、少ない電力で強力な磁場を維持できるのが特徴だ。

突破した「限界」とは

核融合実験で最大の課題は、高温プラズマを長時間安定させることだ。温度が高すぎると制御が難しくなり、逆に低すぎると核融合反応が起きない。

これまでの理論では、プラズマの圧力と閉じ込め時間の積には物理的な上限があると考えられてきた。この限界値は「ローソン条件」と呼ばれ、核融合実現の壁となっていた。

EASTは今回、この条件を満たしながら、従来の記録を大きく上回る安定性を実現した。まるで綱渡りをしながら新幹線より速く走るような、信じられない技術だ。

どうやって記録を更新したのか

高温プラズマのイメージ
Photo by Viktor Forgacs – click ↓↓ on Unsplash

1億度を1000秒以上キープ

EASTが達成した記録は、プラズマ温度1億度を1000秒以上維持というものだ。これは従来の世界記録の約2倍の時間に相当する。

1億度という温度は太陽の中心部の約7倍だが、核融合発電に必要な最低ラインでもある。この温度を安定して保てなければ、実用化は不可能だ。

1000秒という時間も重要だ。核融合発電所を実際に稼働させるには、最低でも数時間の連続運転が必要になる。1000秒は約17分で、実用化へ大きく前進したと言える。

AIが制御システムを最適化

この記録達成の裏には、人工知能による制御システムの革新があった。プラズマは非常に不安定で、わずかな乱れで温度が急降下したり、壁に接触して反応が止まったりする。

研究チームは機械学習アルゴリズムを使い、プラズマの動きを1000分の1秒単位で予測・制御するシステムを開発した。

人間のオペレーターでは絶対に反応できない速度で、磁場の強さや加熱パワーを微調整する。まるで熟練のシェフが火加減を絶妙にコントロールするように、AIがプラズマを「料理」しているイメージだ。

新素材が壁の耐久性を向上

もう一つの技術革新は、容器の内壁に使うタングステン合金の改良だった。プラズマから飛び出した高速の粒子が壁に衝突すると、少しずつ削られていく。

中国の研究チームは、タングステンに微量のイットリウムを混ぜることで、耐久性を従来の約3倍に高めることに成功した。

この新素材により、長時間運転でも壁の劣化を最小限に抑えられるようになった。まるで包丁の刃が欠けにくくなったようなものだ。

核融合発電の実用化はいつ?

未来のクリーンエネルギー施設
Photo by American Public Power Association on Unsplash

2030年代に試験プラントが稼働予定

中国政府は、この成果を受けて核融合発電の実用化計画を加速させている。2035年までに試験プラントを稼働させる目標を掲げた。

試験プラントでは、発電した電力を実際に送電網に流し込み、安定性や経済性を検証する。これがうまくいけば、2040年代には商業プラントの建設が始まる見通しだ。

核融合発電の燃料は海水から取れる重水素と三重水素で、事実上無限にある。しかも二酸化炭素を出さず、放射性廃棄物も原子力発電より少ない。

世界各国も開発競争に参戦

中国の成功を受けて、他の国々も核融合開発を加速している。フランスで建設中のITER(国際熱核融合実験炉)は、日本・EU・米国など7つの国と地域が参加する国際プロジェクトだ。

ITERは2025年に運転開始予定で、EASTより10倍大きい規模を持つ。目標は投入エネルギーの10倍の出力を得ることで、これが実現すれば核融合発電の実用化に決定的な証拠となる。

一方、アメリカでは民間企業が小型の核融合炉開発に乗り出している。コモンウェルス・フュージョン・システムズは、2030年までに商業運転を開始すると宣言した。

課題は建設コストと材料開発

核融合発電にはまだ課題も多い。最大の問題は建設コストだ。ITERの建設費は当初予算の約3倍に膨らみ、総額2兆円以上になる見込みだ。

また、長期間の運転に耐える材料の開発も必要だ。プラズマから飛んでくる中性子は、容器の壁を放射化させたり、金属の強度を下げたりする。

中国のEASTでの記録は、これらの課題解決に向けた重要な一歩だ。AIによる制御技術や新素材の知見は、世界中の研究者に共有され、核融合発電の実用化を早めるだろう。

シルミー

人工太陽で電気が作れるようになったら、地球温暖化も解決できるかな?

はかせ

その可能性は十分ありますよ。ただ実用化にはあと10年以上かかるので、それまでは太陽光や風力など既存の再生可能エネルギーも大事にしないといけませんね

核融合発電が実現すれば、人類のエネルギー問題は根本的に解決する。中国の成功は、その未来を確実に引き寄せた。

参考文献:
China’s “artificial Sun” Just Broke a Fusion Limit Scientists Thought Was Unbreakable
出典: Science Daily

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テクノロジー
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