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  3. 血液検査だけでがん発見!? 画像診断より早く見つける新技術が登場

血液検査だけでがん発見!? 画像診断より早く見つける新技術が登場

2026 3/21
人体・医学
2026年2月26日2026年3月21日
🕑この記事は約6分で読めます
シルミー

はかせ、血液検査だけでがんが見つかるって本当なの?

はかせ

本当です。しかもCTスキャンやMRIでも見つからないような初期のがんを、血液のわずかな成分から見つけられる技術が開発されたんですよ

がんの早期発見は命を救う。しかし従来の画像診断では、がんがある程度大きくならないと見つけられない。今回開発された新しいセンサーは、血液中に漂うごくわずかながん細胞の痕跡を捉えることができる。

目次

血液中のがんの痕跡を見つける仕組み

血液検査のイメージ
Photo by mostafa jamei on Unsplash

がんが血液に残す「目印」

がん細胞は成長する過程で、特定のタンパク質や遺伝物質を血液中に放出する。これをがんバイオマーカーと呼ぶ。健康な人の血液にはほとんど存在しないが、がん患者の血液には微量ながら検出される。

問題は、その量があまりにも少ないことだ。初期のがんほど放出される量は少なく、従来の検査方法では見逃されてしまう。まるで東京ドームいっぱいの砂の中から、特定の数粒を探し出すようなものだ。

3つの技術を組み合わせた新センサー

研究チームが開発したセンサーは、DNAナノテクノロジー、CRISPR、量子ドットという3つの技術を組み合わせている。

まずDNAナノテクノロジーで、がんバイオマーカーを捕まえる極小の「わな」を作る。このわなは特定のがん関連物質にだけ反応する。次にCRISPR技術を使って信号を増幅する。CRISPRは本来遺伝子を編集する技術だが、ここでは検出した分子の存在を何百倍にも拡大して知らせる役割を果たす。

そして最後に量子ドットが登場する。量子ドットは光を当てると特定の色で光る微小な粒子だ。がんバイオマーカーが存在すると、この粒子が明るく光って信号を発する。たった数個の分子でも、はっきりとした光の信号として検出できるのだ。

肺がん検査で9割以上の精度

この新技術を使った肺がん検査では、92%の精度で患者を正しく識別できた。しかも血液サンプルはわずか数滴で済む。検査にかかる時間も数時間程度と、従来の複雑な検査に比べて大幅に短縮された。

研究チームはスタンフォード大学とカリフォルニア大学の共同プロジェクトで、この技術を開発した。成果はNature Biotechnology誌に掲載されている。

画像診断との決定的な違い

CTスキャンやMRIなどの画像診断装置

Photo by Navy Medicine on Unsplash

がんが見える大きさになる前に発見

CTスキャンやMRIは、がんが一定の大きさ(通常数ミリメートル以上)にならないと映し出せない。しかし血液検査なら、がんがまだ画像に映らない段階でも、血液中に放出されるバイオマーカーから存在を察知できる。

これは時間との戦いに大きな意味を持つ。例えば肺がんの場合、ステージ1で見つかれば5年生存率は70%を超えるが、ステージ4まで進行すると10%以下に落ち込む。数ヶ月の差が生死を分けるのだ。

苦痛の少ない検査

画像診断には身体的・心理的な負担がある。CT検査では放射線被ばくがあり、MRIは閉所で長時間じっとしていなければならない。造影剤を使う場合は注射も必要だ。

一方、血液検査なら採血だけで済む。健康診断と同じ感覚で受けられるため、定期的なスクリーニングに向いている。がんの早期発見には繰り返し検査することが重要だが、患者の負担が少なければ継続しやすい。

複数のがんを同時にチェック

この技術のもう一つの利点は、複数のバイオマーカーを同時に検出できることだ。肺がん、大腸がん、膵臓がんなど、異なるがんはそれぞれ異なるバイオマーカーを放出する。新センサーは設計次第で、1回の検査で複数のがんをスクリーニングできる可能性がある。

現在のがん検診は部位ごとに異なる検査が必要だ。胃カメラ、大腸内視鏡、マンモグラフィーなど、それぞれ別の日程で受けなければならない。血液検査で複数のがんを一度にチェックできれば、検診の効率は飛躍的に向上する。

実用化への課題と展望

医療研究の様子

Photo by National Cancer Institute on Unsplash

大規模臨床試験が次のステップ

現段階では小規模な臨床試験で有効性が確認されたに過ぎない。実用化には、数千人規模の患者を対象とした大規模試験が必要だ。異なる人種、年齢、健康状態の人々でも同じように機能するかを確かめなければならない。

研究チームは今後2〜3年以内に、複数の医療機関と連携した臨床試験を開始する予定だ。順調に進めば、5年以内に医療現場で使われる可能性がある。

偽陽性との戦い

がん検査で最も難しいのは、偽陽性(がんがないのに「ある」と判定される)を減らすことだ。バイオマーカーの中には、炎症や他の病気でも増加するものがある。がんでない人を誤ってがんだと診断すれば、不必要な精密検査や心理的苦痛を与えてしまう。

新技術では複数のバイオマーカーを組み合わせて判定することで、偽陽性率を下げる工夫がされている。しかし完璧ではない。実用化までにさらなる精度向上が求められる。

費用の問題

DNAナノテクノロジーや量子ドットを使った検査は、現時点ではコストが高い。研究室レベルでは1回の検査に数万円かかる可能性がある。これを健康診断に組み込むには、数千円レベルまで下げる必要がある。

ただし量産化が進めば、コストは大幅に下がると期待されている。CRISPR技術も登場当初は高価だったが、今では研究室で日常的に使われるまで安くなった。同じことがこの検査技術でも起こる可能性は高い。

シルミー

将来は年に1回の血液検査で、いろんながんをまとめてチェックできるようになるのかな

はかせ

その可能性は十分ありますね。がんで亡くなる人を減らすには、とにかく早く見つけることが大切です。この技術が実用化されれば、がんは「見つけたら手遅れ」ではなく「見つけたら治せる」病気に変わっていくはずです

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参考文献:
This new blood test could detect cancer before it shows up on scans
出典: ScienceDaily

アイキャッチ画像: Photo by Testalize.me on Unsplash

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