はかせ、トイレでスマホ見てたら痔になるって聞いたんだけど、ホント?
実はそれ、本当なんです。スマホを使いながらトイレに座っていると、痔になるリスクが46%も高くなることが最新の研究で分かったんですよ
トイレにスマホを持ち込む習慣がある人は要注意だ。何気なくSNSをチェックしたり、動画を見たりしている間に、体には思わぬ負担がかかっている。
なぜトイレでのスマホが痔を引き起こすのか


長時間座ることで血流が悪化する
痔の最大の原因は、肛門周辺の血流が悪くなることだ。トイレの便座に座った状態では、お尻に体重がかかり続ける。この姿勢を長時間続けると、肛門周りの静脈が圧迫されて血液が溜まりやすくなる。
スマホを持たずにトイレに入る人は、用を足したらすぐに出る。ところがスマホがあると、ついつい「もう1スクロール」と時間が延びてしまう。研究チームの調査では、スマホ使用者の平均トイレ滞在時間は非使用者の2倍以上だった。
便座に座っている時間が長ければ長いほど、肛門周辺の血管には負担がかかる。血液が滞留すると、血管が膨らんで痔核(いぼ痔)ができやすくなる。これは、長時間のデスクワークで足がむくむのと似た仕組みだ。
前かがみの姿勢が圧力を増す
スマホを見るとき、人は自然と前かがみの姿勢になる。この姿勢は、肛門周辺への圧力をさらに高めてしまう。
研究チームは、座位での体圧分布を測定する特殊なセンサーを使って実験を行った。その結果、スマホを見ている人は、見ていない人に比べて肛門周辺にかかる圧力が平均1.3倍高いことが分かった。
さらに、画面に集中していると、無意識のうちにいきむ動作をしてしまう人もいる。排便時以外にいきむと、肛門周辺の静脈に余計な負担がかかり、痔のリスクが高まる。
痔になりやすい人の特徴
今回の研究では、18歳から45歳までの2,487人を対象に調査が行われた。その結果、痔を発症しやすい条件がいくつか明らかになった。
まず、トイレでのスマホ使用時間が1回あたり10分以上の人は、5分未満の人に比べて痔のリスクが2倍近く高かった。また、1日に3回以上トイレでスマホを使う習慣がある人も、高リスク群に分類された。
興味深いのは、使用するアプリの種類によってもリスクが変わることだ。SNSや動画サイトを見る人は、ニュースサイトを読む人よりも平均滞在時間が長く、結果として痔のリスクも高かった。これは、SNSや動画には「終わり」がないため、区切りをつけにくいことが原因だと考えられる。
痔の症状と健康への影響


初期症状を見逃さないために
痔にはいくつか種類があるが、最も一般的なのが内痔核と外痔核だ。内痔核は肛門の内側にでき、初期段階では痛みがほとんどない。そのため、排便時の出血で初めて気づく人が多い。
一方、外痔核は肛門の外側にでき、座るときに痛みや違和感を感じる。特に、硬い椅子に座ったときや、長時間座り続けたときに症状が強く出る。
研究参加者の中で痔を発症した人の約70%は、最初の症状が出てから医療機関を受診するまでに3ヶ月以上かかっていた。「恥ずかしい」「そのうち治るだろう」と放置する人が多いのだ。
悪化すると日常生活に支障が出る
痔を放置すると、症状はどんどん悪化する。内痔核が進行すると、排便時に痔核が肛門の外に飛び出す脱肛が起きる。初期は自然に戻るが、さらに悪化すると指で押し込まないと戻らなくなる。
外痔核の場合、血栓性外痔核という状態になることがある。これは、痔核の中で血液が固まってしまう症状で、激しい痛みを伴う。座ることはもちろん、歩くだけでも痛みを感じるようになる。
研究チームの追跡調査では、痔を発症した人の約40%が、仕事や学業のパフォーマンス低下を経験していた。長時間座る必要があるデスクワーカーにとって、痔は深刻な問題になりうる。
治療法と予防策
軽度の痔であれば、生活習慣の改善と市販の薬で治療できる。座りすぎを避け、食物繊維を多く摂って便通を改善することが基本だ。
しかし、重症化した痔核は手術が必要になることもある。最近ではゴム輪結紮術や硬化療法など、体への負担が少ない治療法も増えている。それでも、手術には数日から1週間程度の安静期間が必要で、日常生活への影響は避けられない。
何より大切なのは予防だ。研究チームは、トイレでのスマホ使用を1回5分以内に抑えることを推奨している。また、トイレを「用を足す場所」として割り切り、スマホを持ち込まない習慣をつけることも効果的だ。
現代人のトイレ習慣が変化している


スマホ普及前と後での比較
今回の研究には、興味深い歴史的データも含まれている。研究チームは、1990年代のトイレ滞在時間に関する過去の調査データと、現代の調査結果を比較した。
スマートフォンが普及する前の1990年代、平均的なトイレ滞在時間は2〜3分だった。ところが2020年代の調査では、スマホを持ち込む人の平均滞在時間は7〜10分に延びている。わずか30年ほどで、トイレ滞在時間は約3倍になったのだ。
面白いのは、新聞や雑誌を持ち込んでいた時代との比較だ。紙媒体の時代も、トイレで長居する人はいた。しかし当時の平均滞在時間は4〜5分程度で、スマホ時代よりは短かった。これは、紙には物理的な「終わり」があるためだと考えられる。新聞の1ページを読み終えれば区切りがつくが、SNSのフィードには終わりがない。
世代による違いも明確に
研究では、年齢層によってトイレでのスマホ使用習慣に大きな差があることも分かった。18〜25歳の若年層では、実に89%がトイレにスマホを持ち込むと回答した。
一方、40〜45歳では、その割合は52%に下がる。デジタルネイティブ世代ほど、スマホが手放せない状況にあり、それが健康リスクにつながっているのだ。
興味深いのは、痔の発症率も世代によって異なることだ。従来、痔は中高年に多い病気と考えられていた。しかし今回の調査では、20代の痔発症率が30年前の約2倍になっていることが判明した。スマホ習慣の影響が如実に表れている。
職業とトイレ習慣の関係
研究チームは、職業別のトイレ習慣も調査した。最もリスクが高かったのは、IT業界やデスクワーク中心の職種だ。これらの職業の人は、日中ずっと座っている上に、トイレでもスマホを見続ける傾向が強い。
逆に、立ち仕事が多い接客業や医療従事者は、比較的リスクが低かった。仕事中に座る時間が少ないことに加え、忙しさからトイレでスマホを見る余裕がないことが理由だと考えられる。
在宅勤務が増えたことも、状況を悪化させている可能性がある。オフィスでは周りの目があるため、トイレで長居しにくい。しかし自宅なら誰も気にしないため、トイレ滞在時間が延びがちだ。実際、在宅勤務者の痔発症率は、オフィス勤務者より約1.4倍高いという調査結果もある。
トイレにスマホ持ち込むのやめようかな…
それが一番の予防法ですね。どうしても持ち込むなら、タイマーを5分にセットするのもいいかもしれません
スマホは便利だが、使い方を間違えると健康を損なう。特にトイレという密室では、時間の感覚が麻痺しやすい。今日からトイレでの習慣を見直してみてはどうだろうか。
参考文献:
Study finds phone use on the toilet may cause painful medical condition
出典: ScienceDaily










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