MENU
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍

ジャンル

テクノロジー 人体・
医学
宇宙・
天文
歴史・
考古学
生き物・
自然
すべての
記事

特集

身近な「なぜ?」電線の鳥はなぜ感電しない? など› 新しい研究のニュース元の論文で確かめた最新の発見›

動画とSNS

YouTube X Instagram TikTok

このサイトについて

運営者情報› 編集方針と訂正› お問い合わせ› プライバシーポリシー›

© Shirmee

Shirmee/シルミー
知りたいを満たす
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
Shirmee/シルミー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
  1. ホーム
  2. 生き物・自然
  3. 2024年の海面上昇は予測超え、押し上げたのは氷より「温まった海のふくらみ」だった

2024年の海面上昇は予測超え、押し上げたのは氷より「温まった海のふくらみ」だった

2026 10/28
生き物・自然
2026年3月1日2026年10月28日
氷のかけらが浮かぶ海
🕑この記事は約11分で読めます

編集・パクト

「海面が上がるのは、氷が溶けるから」。多くの人がそう思っている。半分は正しい。だが、それだけではない。そしてもうひとつ、しばしば見落とされがちな真実がある。

海面を押し上げる主役は、年によって入れ替わるのだ。

2025年3月、NASAのジェット推進研究所(JPL)は、2024年の海面上昇が事前の予測を大きく上回ったと発表した。

しかも予想外だったのは、その上昇を主に引き起こしたのが氷の融解ではなく、海水そのもののふくらみだったという点だ。

目次

海面が上がる理由は、実は二つある

青い海と水平線
Photo by Je Hwan Lee on Pexels

「水が増える」と「水がふくらむ」

海面が上がる仕組みは、大きく二つに分けられる。ひとつは、陸にあった氷が溶けて海に流れ込み、水そのものの量が増えること。

専門的には質量の追加と呼ぶ。もうひとつは、海水が温まって体積がふくらむこと。熱膨張と呼ばれる現象だ。やかんを火にかけると、水を足していないのに水位がわずかに上がる。

あれと同じことが、地球規模の海で起きている。

この二つは、海面という同じ高さの変化に混ざり合って現れる。ぱっと見ただけでは、いま上がっている海面が「水が増えた」ためなのか「水がふくらんだ」ためなのか区別がつかない。

ところが近年、この二つを切り分けて測る技術が確立された。それが、海面上昇の本当の姿を明らかにする鍵になっている。

三つの目で切り分ける

切り分けを可能にしたのは、性格の異なる三種類の観測網の組み合わせだ。まず、レーダー高度計を積んだ衛星が、海面に向けてマイクロ波を打ち、跳ね返る時間から海面全体の高さをミリ単位で測る。

1993年に始まったトペックス・ポセイドンから現在のセンチネル6まで、この観測が海面の高さの記録を担ってきた。

次に、重力観測衛星グレースが、海のどこに水が増えたか、その質量そのものを重力の変化から捉える。

そして三つ目が、世界中の海に漂う数千基の自動観測ブイ、アルゴフロートだ。水深2000メートルまで沈んでは浮かびを繰り返し、水温を測る。

これで海水がどれだけ温まってふくらんだかを直接計算できる。海面全体の上昇量から、この熱膨張の分を引き算すれば、残りが水の追加分だとわかる。

海面はレーダー、氷はレーザーで測る

地球の上空でロボットアームにつかまれた補給船
Photo by SpaceX on Pexels

海面はレーダー、氷はレーザー

海面の高さを測る衛星と、氷の高さを測る衛星は、使う道具が違う。30年にわたって海面の高さを測ってきた主力の衛星は、レーザーではなくレーダー、つまりマイクロ波を使う高度計だ。

トペックス・ポセイドン、ジェイソン、センチネル6と受け継がれてきた系譜は、すべてレーダー高度計である。

ではレーザー高度計は何を測るのか。こちらはアイスサット2という別のミッションが担い、主に氷床や氷河、海氷の「高さ」を測って、氷がどれだけ薄くなったかを追う。

つまり、海面の直接観測はレーダー高度計、氷の質量損失の推定はレーザー高度計と重力衛星、という役割分担になっている。

同じ「宇宙から測る」でも、狙う対象も道具もまるで違うのだ。

キク

衛星で30年も測り続けて、海面は結局どれくらい上がったんだろう?

30年で約10センチ、しかも加速している

この観測網が積み上げた記録によれば、1993年からの海面の総上昇量はおよそ100ミリ、つまり約10センチに達している。

さらに深刻なのは、上昇のペースそのものが速まっていることだ。NASAによると、衛星観測が始まって以来、一年あたりの上昇率は2倍以上になった。

NASAジェット推進研究所のジョシュ・ウィリス氏は「年ごとに少しずつ違うが、海が上がり続け、そのペースがどんどん速くなっていることははっきりしている」と話す。

氷が溶ける、二つの経路

氷河の末端と海に浮かぶ氷
Photo by Gaspar Zaldo on Pexels

グリーンランドは「表面から」溶ける

陸の氷が失われる仕組みにも、二つの経路がある。ひとつは表面融解。夏の気温上昇で氷床の表面が直接溶け、その水が海へ流れ出る。

グリーンランドで特に目立つのがこの経路だ。溶けた水は氷の割れ目から内部にしみ込み、氷河が海へ滑る速度を速める働きもする。

上から溶け、そして流れを速める、二重の効き方をする。

グリーンランドを覆うのは「氷河」ではなく「氷床」だ。ここは用語を正しく使い分けたい。氷床とは、大陸規模で広がる分厚い陸上の氷のこと。

グリーンランドと南極大陸をおおう氷がこれにあたる。一方、氷河はアルプスやヒマラヤなど山岳にある比較的小さな氷の塊を指す。

だから「氷河かグリーンランドか」という問いの立て方自体が、実はかみ合っていない。グリーンランドの氷も、りっぱな氷床なのだ。

南極は「下から」削られる

南極では、もう一つの経路が主役になる。海に張り出した棚氷の下に、比較的温かい海水がもぐり込み、氷を底から削り取っていく。

棚氷は、陸の氷が海へ流れ出るのをせき止める栓のような役割を果たしている。その栓が薄くなり崩れると、奥にあった陸の氷が堰を切ったように海へ滑り落ちる。

目に見えにくいが、南極の氷損失の主な原因はこの底面融解だ。

国際共同研究IMBIEの2018年の報告によれば、西南極の氷の損失は、1990年代の年530億トンほどから、2012年以降は年1590億トンほどへと、およそ3倍に増えた。

南極全体では1992年から2017年までに約2兆7200億トンの氷が失われ、世界の海面を約7.6ミリ押し上げた計算になる。

あわせて読みたい
南極の氷河が2か月で約8キロ後退、平らな岩盤の上で氷が浮きかけて崩れた 南極半島のヘクトリア氷河が2か月で約8.2キロ後退し、平らな岩盤の上で薄くなった氷が浮きかけて崩れたことが主な原因とされました。ほかの氷河でも同じことは起こりうるのでしょうか。
キク

グリーンランドは表面から、南極は海に張り出した氷の下から削られて、同じ氷でも溶け方がまるで違うんだ!

小さいのに侮れない、山岳の氷河

雪山と谷を流れる氷河
Photo by Francesco Ungaro on Pexels

数の力で効いてくる

海面上昇に効いているのは、極地の氷床だけではない。アルプス、ヒマラヤ、アンデス、アラスカ。

世界中に散らばる山岳の氷河は、一つひとつは氷床に比べれば小さいが、数が多いため合計すると無視できない量を失っている。

2025年に発表された国際的な推定では、2000年から2023年の平均で、山岳氷河は年におよそ2700億トンもの氷を失っていた。

しかもこの損失は加速している。前半(2000〜2011年)にくらべ、後半(2012〜2023年)は年間の損失が約36%多かった。

山岳氷河の損失量は、グリーンランドの氷床より約18%多く、南極の氷床の2倍以上にあたる。

それは「水源」でもある

山岳の氷河は、ふもとに暮らす人々にとって貴重な水源でもある。ヒマラヤの氷河が育む川の水は、インド、中国、パキスタンなど、数億人の生活と農業を支えている。

氷河が縮めば、いずれその川の水量も細っていく。海面上昇という地球規模の話が、そのまま「蛇口から出る水」という日々の暮らしの問題に直結するのだ。

2024年、主役が入れ替わった

白黒写真の荒れた海
Photo by Nui MALAMA on Nui MALAMA

予測を超えた上昇、その正体は熱膨張

ここで冒頭のNASAの発表に戻ろう。2024年の海面上昇率は年0.59センチで、予測されていた年0.43センチを大きく上回った。

実測は予測のおよそ1.35倍。この超過ぶんの主役が、意外なことに氷の融解ではなく、海水そのものの熱膨張だった。

近年、海面上昇はおよそ3分の2が氷の融解、3分の1が熱膨張という内訳だった。ところが2024年は、この比率が反転した。

熱膨張が3分の2を占めたのだ。NASA本部のナディヤ・ヴィノグラドヴァ・シファー氏は「2024年は観測史上最も暑い年で、ふくらむ海もそれに続き、この30年で最も高い水準に達した」と話す。

「氷が溶けなくなった」のではなく、「海が例年以上に熱くなった」年だったのである。

NASAは、熱が海の深くへ運ばれる仕組みも説明している。ふつう温かい水は上に、冷たく重い水は下に層をなし、熱はゆっくりとしか深くに届かない。

だが風の強い海域では層がかき混ぜられ、南極海のような大きな海流は層を傾けて、表面の水を深くへ滑り込ませる。エルニーニョで西太平洋の温かい水が東へ移るときにも、熱が上下に動く。

だから「原因は一つ」とは言えない

この一件が教えてくれるのは、海面上昇の主役は年ごとに入れ替わりうる、ということだ。長い目で見れば氷の融解の寄与が大きいのは確かだが、ある年は熱膨張がそれを追い抜く。

だから「海面上昇の原因はこれだ」と一つに決めつける説明は、どこかで実態を取りこぼす。氷の融解と熱膨張、その二つの綱引きの結果として、海面は上がっている。

そして熱膨張が主役に躍り出たことは、けっして安心材料ではない。それは海が、それだけ大量の熱を抱え込んでいるという別の警報でもあるからだ。

溜め込まれた熱は簡単には冷めず、じわじわと海を押し上げ続ける。主役が交代しても、海が上がり続けるという事実は変わらない。

同じ高さ、上がらない——海面上昇の意外な地理

ヤシの木が並ぶ海辺の町
Photo by Jan Tang on Jan Tang

海は均等には上がらない

海面が上がると聞くと、地球全体の水位が均等に底上げされる様子を思い浮かべがちだ。だが実際の上昇量は、場所によって大きく違う。

理由の一つは熱膨張の地域差。海流や風の関係で熱が偏って溜まる海域では、ふくらみも大きくなる。

もう一つが、直感に反する「重力の指紋」だ。巨大な氷床は、その重い質量で周りの海水を引き寄せている。

氷が溶けてこの引力が弱まると、氷のあった場所の近海ではむしろ海面が下がり、遠く離れた海域で上昇が強まる。氷が消えた足元より、はるか遠くの海がより上がる。

地球規模で重力のバランスが組み替わるために起きる、不思議な現象である。

キク

海面が年に数ミリ上がるだけでも、高潮や台風のときにはどれくらい効いてくるのかな?

数センチが、災害の最後の一押しになる

年に数ミリ、30年で約10センチ。数字だけ見れば小さな変化に思える。だが、この底上げは高潮や台風のときに牙をむく。

海面のベースラインが数センチ上がるだけで、かつて100年に一度だった規模の浸水が、数十年に一度、あるいはもっと頻繁に起きるようになる。

海の変化を、正しく怖がるために

夕日と打ち寄せる波
Photo by Rhys Abel on Rhys Abel

浮いた氷は、溶けても海を上げない

最後に、混同されやすい氷の違いを整理しておきたい。すでに海に浮かんでいる氷、たとえば北極海の海氷は、いくら溶けても海面をほとんど上げない。

浮いている氷は自分の重さと同じだけの水を押しのけて浮いており、溶けて水に戻っても体積はほぼ変わらないからだ。アルキメデスの原理である。

海面を確実に押し上げるのは、あくまで陸の上にあった氷、つまり氷床と氷河が海へ加わる場合に限られる。

だからこそ、グリーンランドや南極の陸氷、そして山岳の氷河が失われることが重く受け止められている。そこに熱膨張という「水そのもののふくらみ」が加わる。

海面上昇は、この二つの力の合わせ技なのだと知ることが、この現象を正しく怖がる第一歩になる。

だから、自分ごととして

参考文献:
NASA Analysis Shows Unexpected Amount of Sea Level Rise in 2024 (NASA/JPL, 2025)
Frederikse et al., 『The causes of sea-level rise since 1900』, Nature 584, 393–397 (2020). DOI: 10.1038/s41586-020-2591-3 / IMBIE Team, 『Mass balance of the Antarctic Ice Sheet from 1992 to 2017』, Nature 558, 219–222 (2018). DOI: 10.1038/s41586-018-0179-y
The GlaMBIE Team, 『Community estimate of global glacier mass changes from 2000 to 2023』, Nature (2025). DOI: 10.1038/s41586-024-08545-z

YouTubeでも配信中!チャンネル登録よろしくね!
生き物・自然
地球科学 気候変動
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • 皆既月食の月が赤い理由 次に日本で見られるのは2029年元旦
  • メタンを作る微生物は、遺伝子の「終わり」の合図をアミノ酸としても読む

この記事の編集者

パクトのアバター パクト

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

関連記事

  • クッションのふちから目だけをのぞかせるキジトラの猫
    猫の人見知りは主に怖さと結びつくとみられる 怖いのに近づく猫も
    2026年11月5日
  • 芝生の上で向き合う大きな犬と小さな犬
    大きな犬は老いも速い 「動く遺伝子」を抑えるDNAの目印が速く消えていた
    2026年11月4日
  • 青い海の中を泳ぐ魚の大きな群れ
    魚のDHAはどこから来るのか 珪藻を食べる原生生物が最大の供給役かもしれない
    2026年11月3日
  • 森の木の根元の土から、黄色い指のような形の大きな菌が何本も立ち上がっているイラスト
    高さ50cmの菌「D. rex」 恐竜絶滅のころに生まれたとみられる新しい科
    2026年11月1日
  • 夕暮れの空を飛ぶネッタイシマカの群れのイラスト
    メスの羽音に寄る蚊のオス、その耳をオス用に作る遺伝子が見つかった
    2026年10月29日
  • 地下のトンネルで暮らす2種のデバネズミのイラスト
    がんになりにくいデバネズミの2種、免疫の反応は大きく違っていた
    2026年10月27日
  • 草原の上にかかる虹
    虹はなぜいつも同じ色の順番なのか 赤は42度、紫は40度で雨つぶを出る
    2026年10月27日
  • 芝生の上でこちらを見つめる黒いカラス
    カラスは見て決めるのがサルや人のおよそ2倍速かった 決め方の仕組みは似ていた
    2026年10月24日
シルミーの動画YouTubeで見る
  • 【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?のサムネイル【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?
  • 誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのかのサムネイル誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのか
  • サバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜のサムネイルサバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜
ショートも見る
人気記事
  • スコッチのテープ台にのったセロハンテープ
    セロハンテープをはがす音の正体は、小さな衝撃波の連続だった
  • 密林の道にとぐろを巻く巨大ヘビのイラスト
    インドの炭鉱から、全長11〜15メートルと推定される太古の巨大ヘビ
  • 固まった溶岩の地表に走る裂け目
    「大西洋のグランドキャニオン」と呼ばれる海底の谷が、途中で育つのをやめた理由
  • 緑の背景に描かれた微生物のイラスト
    細菌でがんを内側から攻める130年来の夢、細菌に「点呼」を教えた第一歩
  • 赤銅色に染まった皆既月食の月
    皆既月食の月が赤い理由 次に日本で見られるのは2029年元旦
Shirmee

知りたいを満たす科学メディア

宇宙・テクノロジー・人体・歴史・物理・生物など幅広い科学トピックを、わかりやすく深掘り。最新の研究や発見を、知的好奇心を刺激する記事でお届けします。

カテゴリー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然

キャラクター紹介

キク
キク

長い耳で、なんでも聞きたがるウサギ。気になる穴を見つけたら、すぐ首を突っ込む。

SNS

X YouTube Instagram TikTok
  • 運営者情報
  • 編集方針と訂正について
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

© Shirmee/シルミー.

目次
X YouTube Instagram TikTok