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南極の氷河が2ヶ月で8km後退! 史上最速の崩壊はなぜ起きた?

2026 4/18
生き物・自然
2026年3月13日2026年4月18日
🕑この記事は約6分で読めます

2ヶ月で8km後退。2024年末から2025年初め、南極半島のヘクトリア氷河で観測史上最速の崩壊が起きた。氷河全体の半分近くが消えた。ケンブリッジ大学の研究チームが衛星データと水中ロボットで原因を解明したところ、「下から崩れる」という予想外のメカニズムが浮かび上がった。

目次

「下から崩れる」という想定外

崩壊する氷河のイメージ
Photo by Martin Sanchez on Pexels

海底の平らな地形が引き金に

ヘクトリア氷河の崩壊を引き起こした最大の要因は、海底の地形だった。通常、氷河は海底の岩盤にしっかりと接地しながら海に向かって流れていく。ところがヘクトリア氷河の下には、驚くほど平らで滑らかな海底面が広がっていたのだ。

この平坦な海底が、氷河に思わぬ影響を与えた。氷河が海に向かって押し出されると、氷の重さよりも海水の浮力が勝ってしまい、氷河全体が海底から突然浮き上がってしまったのだ。氷河が海底から離れると、それまで支えていた摩擦力が一気に失われる。

下から崩れるという予想外のパターン

氷河の崩壊というと、先端部分が海に落ちていくイメージを持つ人が多い。しかし今回は違った。ヘクトリア氷河は下から崩壊したのだ。

浮き上がった氷河の底面に、海水が入り込んだ。氷河は巨大な圧力を受けながら前に押し出されているため、底面から亀裂が入ると一気に破壊が進む。まるで板チョコを裏から押すと割れやすくなるのと似た現象だ。

この底面からの破壊によって、氷河は2ヶ月で8キロメートルも後退した。これは従来の氷河崩壊の10倍以上の速度だ。研究チームの衛星画像解析によれば、崩壊のピーク時には1日あたり150メートルという猛スピードで氷河が後退していたという。

水中ロボットが捉えた決定的証拠

海底地形の影響を明らかにしたのは、自律型水中探査機による調査だった。この探査機は氷河の下に潜り込み、海底の詳細な3D地図を作成した。

その結果、氷河が後退した区域の海底は、傾斜がほとんどない平坦な岩盤で覆われていることが判明した。一方、まだ崩壊していない区域の海底には、氷河を固定する役割を果たす凹凸や尾根が存在していた。この地形の違いが、崩壊の進行を左右していたのだ。

シルミー

上から割れるんじゃなくて、下から浮き上がって崩れるなんて想像もしなかった

海水温上昇がトリガーを引いた

温暖化する海のイメージ
Photo by Je Hwan Lee on Pexels

海水温の上昇が引き金を引いた

ヘクトリア氷河の崩壊は、海底地形という「爆弾」があったところに、海水温の上昇という引き金が引かれた結果だった。南極半島周辺の海水温は、過去50年間で約1℃上昇している。わずか1℃と思うかもしれないが、氷河にとっては致命的な変化だ。

温かい海水が氷河の底面に接すると、氷が溶けて薄くなる。薄くなった氷河は浮力を受けやすくなり、海底から剥がれやすくなる。ヘクトリア氷河の場合、この「剥がれやすさ」が平坦な海底地形と組み合わさって、急激な崩壊を引き起こしたのだ。

氷河の棚が消えた影響

ヘクトリア氷河の先端部分には、かつて棚氷と呼ばれる氷の棚が張り出していた。この棚氷は、後ろから押してくる氷河を支える壁のような役割を果たしていた。

ところが2020年代に入って、この棚氷が次々と崩壊した。壁を失った氷河は、それまで抑えられていた流れが一気に加速した。まるでダムの水門が開いたように、氷河が海に向かって押し出されたのだ。この加速が、海底からの剥離をさらに促進した。

他の氷河でも起きる可能性

研究チームは、南極の他の氷河でも同様の崩壊が起きる可能性を警告している。特に西南極氷床の下には、ヘクトリア氷河と似た平坦な海底地形が広がっている区域が複数あることが分かっている。

スウェイツ氷河もその一つだ。「終末の氷河」とも呼ばれるこの巨大氷河は、東京都の面積の約30倍に相当する。もしスウェイツ氷河がヘクトリア氷河と同じメカニズムで崩壊すれば、世界の海面は65センチメートル上昇すると予測されている。

予測モデルは書き換えが必要か

沿岸都市と海面上昇のイメージ
Photo by Juan Pablo on Unsplash

予測モデルの見直しが必要

今回の発見は、氷河研究に大きな衝撃を与えている。従来の氷河崩壊予測モデルは、主に表面の温度と先端部の崩壊に注目していた。しかし底面からの崩壊というメカニズムは、ほとんど考慮されていなかった。

ケンブリッジ大学の氷河学者は、「海底地形のデータを組み込んだ新しい予測モデルが必要だ」と指摘している。平坦な海底がある氷河は、従来の予測よりも5倍から10倍速く崩壊する可能性があるという。

衛星監視網の強化

ヘクトリア氷河の崩壊を詳細に記録できたのは、複数の人工衛星による継続的な観測のおかげだった。特にSentinel-1という欧州の衛星は、雲や悪天候に関係なく地表を観測できるレーダーを搭載しており、南極の氷河変化を6日ごとに記録している。

今後は監視網をさらに強化し、危険な兆候を早期に発見することが重要だ。氷河が海底から浮き始める初期段階を検知できれば、崩壊のタイミングをある程度予測できるようになるかもしれない。

沿岸都市への影響

南極の氷河崩壊は、遠い世界の出来事ではない。海面上昇によって、世界中の沿岸都市が影響を受ける。日本でも、東京湾岸エリアや大阪の海抜ゼロメートル地帯では、将来的に高潮や洪水のリスクが高まると予測されている。

もしヘクトリア氷河のような急激な崩壊が南極各地で起きれば、海面上昇のペースは従来予測を大きく上回る可能性がある。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2100年までの海面上昇予測を見直す必要があるとしている。

ヘクトリア氷河の崩壊は、地球温暖化の影響が予想以上に複雑で予測困難であることを示している。海底地形という目に見えない要因が、氷河の運命を左右する。今後、同様のメカニズムで崩壊する氷河が増えれば、沿岸部に住む数億人の生活に影響が及ぶ。人工衛星と水中探査機による継続的な監視が、今まで以上に重要になっている。

海底地形という目に見えない要因が、氷河の運命を左右する。同じメカニズムが他の氷河でも起きうるならば、海面上昇の予測は根本から見直す必要がある。

参考文献:
Antarctica just saw the fastest glacier collapse ever recorded
出典: ScienceDaily

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この記事を書いた人

シルミー編集者のアバター シルミー編集者

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

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