はかせ、目が見えなくなった人が、また見えるようになるチップができたって本当?
本当ですよ。しかも、手術で目の奥に埋め込むだけで、80%以上の人が視力を取り戻したんです
加齢黄斑変性という病気で失明した人たちが、小さな無線チップのおかげで、何年ぶりかに文字を読めるようになった。大規模な国際臨床試験で確認された結果だ。
加齢黄斑変性ってどんな病気?


中心だけが見えなくなる不思議な症状
加齢黄斑変性は、50歳以上の人に多い目の病気だ。目の奥にある黄斑という部分が傷んでしまう。
黄斑は網膜の中心にあって、文字を読んだり、人の顔を見たりするときに使う大事な場所だ。ここが壊れると、視界の真ん中だけがぼやけたり、黒く欠けたりする。
不思議なのは、周辺部分は見えるということ。だから完全に真っ暗になるわけではないが、肝心の中心が見えないので、本も読めないし、テレビも見られない。
日本でも患者が急増中
この病気は世界中で増えている。日本でも70歳以上の約10人に1人が加齢黄斑変性だと言われる。
高齢化が進むにつれて、患者数はさらに増える見込みだ。注射で進行を遅らせる治療法はあるが、一度失った視力を取り戻すのは難しかった。
網膜チップが視力を取り戻す仕組み


極小カメラとプロジェクターのコンビ
今回開発された無線網膜インプラントは、わずか数ミリの小さなチップだ。これを網膜の裏側に埋め込む。
仕組みはこうだ。まず、患者は特殊なメガネをかける。メガネには小型カメラが付いていて、目の前の景色を撮影する。
その映像データが無線で網膜チップに送られ、チップが電気信号に変換して、網膜の神経細胞を直接刺激する。すると、脳が「光が見えた」と認識するわけだ。
つまり、壊れた黄斑を迂回して、残っている神経細胞に直接情報を届けているのだ。
配線なしで動く画期的な設計
従来の網膜インプラントには、目の外から電源ケーブルを引き込む必要があった。これだと感染症のリスクが高く、患者の負担も大きい。
新しいチップは完全ワイヤレス。メガネから送られる電波で充電しながら動く。まるでスマホをワイヤレス充電するような感じだ。
手術も比較的簡単で、約2時間で終わる。入院期間も短く、数日で退院できる患者が多い。
80%が視力を取り戻した驚きの結果
国際臨床試験には、重度の加齢黄斑変性で失明した患者が参加した。手術から数週間後、80%以上の患者が中心視力を取り戻したと報告している。
多くの人が、大きな文字を読めるようになった。中には、新聞の見出しや、スマホの画面を読める人もいた。何年も見えなかったものが見えるようになる感動は、計り知れない。
ただし、視力は完全には戻らない。健康な人の視力が1.0だとすると、チップで取り戻せるのは0.1から0.2程度。それでも、日常生活の質は大きく向上する。
実用化への道のりと今後の課題


まだ高額な治療費
この技術はまだ開発途上で、治療費は数百万円かかる見込みだ。保険適用されるかどうかも、国によって異なる。
研究チームは、大量生産でコストを下げることを目指している。将来的には、もっと多くの人が利用できるようになるだろう。
他の病気にも応用できるか
このチップは加齢黄斑変性以外にも使える可能性がある。たとえば、網膜色素変性症という、若い人にも起こる遺伝性の失明疾患だ。
さらに、視覚だけでなく、聴覚や運動機能を補助するインプラントの開発も進んでいる。無線技術が鍵となる分野は、これからどんどん広がっていくはずだ。
長期的な安全性の確認が必要
チップを体内に埋め込む以上、10年、20年後にどうなるかを確認する必要がある。電極が劣化したり、組織が炎症を起こしたりするリスクはゼロではない。
現在も追跡調査が続いており、長期的なデータが集まるのを待っている段階だ。
見えなくなった人がまた見えるようになるなんて、すごい時代だね!
医療技術の進歩は目覚ましい。数年前には夢物語だったことが、今では現実になりつつある。網膜チップの実用化が進めば、多くの人が光を取り戻せる日が来るだろう。
参考文献:
Wireless retinal implant helps blind patients see again
出典: ScienceDaily
アイキャッチ画像: Photo by Annie Spratt on Unsplash










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