MENU
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍

ジャンル

テクノロジー 人体・
医学
宇宙・
天文
歴史・
考古学
生き物・
自然
すべての
記事

特集

身近な「なぜ?」電線の鳥はなぜ感電しない? など› 新しい研究のニュース元の論文で確かめた最新の発見›

動画とSNS

YouTube X Instagram TikTok

このサイトについて

運営者情報› 編集方針と訂正› お問い合わせ› プライバシーポリシー›

© Shirmee

Shirmee/シルミー
知りたいを満たす
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
Shirmee/シルミー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
  1. ホーム
  2. 生き物・自然
  3. 皇帝ペンギンの命がけの「衣替え」、減る海氷の上で群れが押し合っていた

皇帝ペンギンの命がけの「衣替え」、減る海氷の上で群れが押し合っていた

2026 11/01
生き物・自然
2026年3月12日2026年11月1日
氷原を埋めつくす皇帝ペンギンの群れ
🕑この記事は約9分で読めます

編集・パクト

皇帝ペンギンにとって、羽の生え変わりは一年でもっとも過酷な試練だ。全身の羽を一気に脱ぎ捨て、新しい羽が生えそろうまで、氷の上でじっと飢えに耐える。

ところが近年、その足場となる南極の氷が急速に失われ、この命がけの衣替えが、かつてない危機に直面している。

その異変を捉えたのは衛星画像だった。

英国南極調査局(BAS)のピーター・フレットウェル博士が2026年に学術誌『Communications Earth & Environment』で発表した研究だ。

目次

命がけの衣替え「破局換羽」

氷山を背にした皇帝ペンギンの群れ
Photo by Pixabay on Pexels

なぜ、一気に全部脱ぐのか

多くの鳥は、一年を通して羽を少しずつ生え替わらせる。だが皇帝ペンギンは違う。年に一度、全身の羽をほぼ一斉に脱ぎ捨てる。

この現象を「破局換羽」と呼ぶ。なぜ、こんな大変なやり方をとるのか。

理由は、ペンギンの羽の構造にある。氷点下の海に潜るペンギンの羽は、一枚一枚が寸分の隙間もなく重なり合うことで、初めて防水と保温が成り立つ。

もし羽を少しずつ抜けば、隙間だらけの状態が何ヶ月も続き、そこから冷たい海水がしみ込んでしまう。それを避けるため、短期間で一気に全部を新しくする。

30〜40日間、海に入れない

換羽には30〜40日かかる。そのあいだ、防水機能を失ったペンギンは海に入れず、餌もとれない。体に蓄えた脂肪だけを頼りに、氷の上で過ごす。

換羽は、12月に繁殖地を離れた後に始まり、ふつうは2月末までに終わる。ペンギンは3月下旬から4月初めに繁殖地へ戻るまでに、体力を取り戻さなければならない。

飛べるほかの海鳥なら、換羽中でも飛んで餌をとれる。だが飛べないペンギンには、その手が使えない。

だからこそ、この絶食を耐え抜くには、期間中ずっと壊れずに存在し続ける、安定した氷の足場が欠かせない。

キク

羽が生え変わるあいだのペンギンは海に入れず脂肪だけが頼りだから、生えそろうまで壊れない氷が要るんだね。

足場となる「定着氷」が消えていく

海に面した南極の氷の崖
Photo by ArcticDesire.com Polarreisen on Pexels

動かない氷、それが命綱

換羽の足場に選ばれるのは、多くの場合「定着氷」と呼ばれる氷だ。海氷にはいくつか種類があり、風や海流で絶えず流れ動く「流氷」と、海岸や氷山に固定されて動かない「定着氷」がある。

1ヶ月以上も同じ場所にとどまる換羽には、動かず安定した定着氷が適している。

フレットウェル博士が衛星で追跡したのは、西南極のマリー・バード・ランド沿岸だ。

ここは南極の中でも一年を通して定着氷が残りやすい場所で、西南極ロス海の7つの繁殖地のペンギンが、最大1000キロ移動して換羽に来る。

この7つの繁殖地には、世界の皇帝ペンギンの約30〜40%がいる。

スペインほどの海氷が5分の1に

2022〜2024年、南極の海氷面積は観測史上最低の水準になり、定着氷も大きく減った。

この調査地域の海氷は、過去50年の平均でおよそ50万平方キロメートル、スペインの国土に匹敵する広さがあった。ところが2023年には、それがわずか10万平方キロメートルにまで縮んでしまった。

そのうち岸に張り付いた定着氷は、約2000平方キロメートルしかなかった。2020年1月下旬には、この一帯の定着氷は約1万4000平方キロメートルあった。

あわせて読みたい
南極の氷河が2か月で約8キロ後退、平らな岩盤の上で氷が浮きかけて崩れた 南極半島のヘクトリア氷河が2か月で約8.2キロ後退し、平らな岩盤の上で薄くなった氷が浮きかけて崩れたことが主な原因とされました。ほかの氷河でも同じことは起こりうるのでしょうか。

衛星が捉えた、静かな異変

地球を周回する人工衛星のイラスト
Photo by Zelch Csaba on Pexels

糞のシミが、居場所を教える

広大で人を寄せつけない南極で、ペンギンの数をどうやって調べるのか。フレットウェル博士のチームが使うのは、衛星画像だ。

ここに、意外な手がかりがある。大量のペンギンが同じ場所に長くとどまると、その糞によって、雪や氷の表面に茶色いシミが広く付着する。

このシミは衛星画像からもはっきり識別でき、ペンギン本体が写らなくても、「そこに群れがいた」動かぬ証拠になるのだ。

チームは、この海岸沿いの衛星画像に並ぶ茶色いシミに偶然気づいた。時期が換羽の季節と重なっていたことから詳しく調べたという。

衛星画像で換羽の群れを観察したのは、これが初めてだ。チームは2019年から2025年までの7年分の画像をさかのぼった。

無料で使える解像度10メートルの衛星画像(Sentinel-2)で本当に群れを見分けられるのかも確かめた。

同じ日に撮った解像度50センチの画像と比べると、高解像度画像の群れの約83%をとらえ、群れと判定したものの約94%は本物だった。

氷が減ると群れは密集した

群れの数は年によって大きく変わった。2020年は224で、最も多かったのは氷の少なかった2023年の247だ。

氷が減った年は、ペンギンが狭い氷に押し込められた。群れどうしの平均距離は、2019年の1690メートルから2023年には231メートルに縮まった。

100平方メートルを超える群れも多く、最大のものは1200平方メートルを超えた。

そして2025年、海氷の状態は良くなったのに、確認できた群れは25と最も少なく、どれも数ピクセルの小さなものだった。

2022年より前は、同じ地域で100を超える群れが見つかっていた。

「いなくなった」のか、まだ分からない

氷原に集まる皇帝ペンギン
Photo by Pixabay on Pexels

断定を避ける、科学者の慎重さ

氷が減った年には、換羽が終わる前に氷が割れた。BASは、多くのペンギンが生き延びられなかった可能性が高いとしている。

羽が生えそろう前に海に入ると、エネルギーを使い果たしたり、低体温になったり、捕食者に狙われやすくなったりするからだ。

フレットウェル博士は「あのペンギンたちに何が起きたのかは確かではない。氷を失った後に新しい繁殖地を見つけられることは分かっているので、別の場所に新しい換羽地を作った可能性はある。だが、防水の羽が生えそろう前に南極海に入り、非常に多くのペンギンが死んだ可能性もある。もしそうなら、種としての状況は考えていた以上に悪い」と話す。

2025年の群れは東へ

2025年に見つかった小さな群れの多くは、調査地域のさらに東にある広い定着氷の上にいた。ペンギンが別の場所へ移ったのか、数が減ったのかを見分けるには、さらに調べる必要がある。

皇帝ペンギンの一年は、氷とともにある

皇帝ペンギンの親子
Photo by Jan Tang on Pexels

三種類の氷に、生活を預けて

皇帝ペンギンの暮らしは、氷と分かちがたく結びついている。3月下旬から4月初め、厳しい寒さの中でコロニーに集まり、ペアを作る。

5月に産んだ卵を、オスが足の上で抱えて守り、メスは海へ採餌に出る。7月ごろに雛が生まれ、両親が交代で餌を運んで育てる。

そして繁殖と子育てで消耗した体を、海での採餌で立て直したのち、1月から3月にかけて、破局換羽に入る。

つまりペンギンは、「繁殖のための氷」「採餌のための開けた海」「換羽のための安定した氷」という、性質の違う三つの環境すべてに、生活を預けている。

どれか一つでも欠ければ、一年のサイクル全体が崩れる。海氷の減少は、この三拍子のうち複数を同時に脅かす。

2022年に確認された繁殖の失敗も、今回の換羽の危機も、根は同じ「氷の消失」という一つの問題の、別々の表れなのだ。

キク

繁殖の失敗と、大人のペンギンが命を落とすのとでは、どっちが重く響くんだろう?

成鳥の死は繁殖の失敗より重い

皇帝ペンギンは、決して数が少ない鳥ではない。それでも2022年10月、アメリカは皇帝ペンギンを絶滅の恐れがある種(threatened)として保護の対象にした。

気候変動による氷の減少で、将来その生息域の多くで存続が危ぶまれると予測されたからだ。

BASによると、皇帝ペンギンは最長20年ほど生き、3〜6歳になるまで繁殖しない。そのため長い目で見ると、繁殖の失敗より成鳥の死のほうが大きな脅威になる。

換羽中の成鳥が命を落とせば、その影響は何年も続く。

あわせて読みたい
パタゴニアの海岸で、戻ってきたピューマがペンギン7000羽以上を襲っていた アルゼンチンの海岸の国立公園で、戻ってきたピューマが2007〜2010年の4年間に7,000羽を超えるマゼランペンギンの成鳥を殺していたと推定されました。その多くが食べ尽くされていなかったのはなぜでしょうか。

生態系の変化を映す鳥

海に浮かぶ氷山
Photo by ATHENEA CODJAMBASSIS ROSSITTO on Pexels

BASは、皇帝ペンギンを生態系全体の目印になる種と位置づけている。海氷はペンギンだけでなく、海鳥やアザラシ、氷の下のオキアミからクジラまでを支えている。

その多くは毎年は調べられていないが、皇帝ペンギンなら衛星で毎年観察できる。実際、今回の画像では、換羽中とみられるアザラシ(ロスアザラシかウェッデルアザラシ)の群れも見つかった。

宇宙の目が、地上の命を見守る

それでも、希望がないわけではない。かつては近づくことすら難しかった南極の危機を、衛星という新しい目が、いち早く捉えられるようになった。

糞のシミ一つから群れの消長を読み取る技術は、私たちに、遠い命の危機を知る手立てを与えてくれる。知ることは、守るための第一歩だ。

参考文献:
Discovery of Antarctic moulting sites in satellite imagery reveals new threat to emperor penguins
Fretwell, P. T., Communications Earth & Environment 7, 192 (2026). DOI: 10.1038/s43247-026-03231-6
出典: British Antarctic Survey (BAS)

YouTubeでも配信中!チャンネル登録よろしくね!
生き物・自然
地球科学 気候変動 海洋生物 鳥
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • 天の川と同じ「棒」を持つ渦巻銀河が、宇宙誕生20億年後にもうあった
  • ウミガメが卵を産む孤島の浜に、溶けたロープでできた「プラスチックの岩」

この記事の編集者

パクトのアバター パクト

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

関連記事

  • クッションのふちから目だけをのぞかせるキジトラの猫
    猫の人見知りは主に怖さと結びつくとみられる 怖いのに近づく猫も
    2026年11月5日
  • 芝生の上で向き合う大きな犬と小さな犬
    大きな犬は老いも速い 「動く遺伝子」を抑えるDNAの目印が速く消えていた
    2026年11月4日
  • 青い海の中を泳ぐ魚の大きな群れ
    魚のDHAはどこから来るのか 珪藻を食べる原生生物が最大の供給役かもしれない
    2026年11月3日
  • 森の木の根元の土から、黄色い指のような形の大きな菌が何本も立ち上がっているイラスト
    高さ50cmの菌「D. rex」 恐竜絶滅のころに生まれたとみられる新しい科
    2026年11月1日
  • 夕暮れの空を飛ぶネッタイシマカの群れのイラスト
    メスの羽音に寄る蚊のオス、その耳をオス用に作る遺伝子が見つかった
    2026年10月29日
  • 地下のトンネルで暮らす2種のデバネズミのイラスト
    がんになりにくいデバネズミの2種、免疫の反応は大きく違っていた
    2026年10月27日
  • 草原の上にかかる虹
    虹はなぜいつも同じ色の順番なのか 赤は42度、紫は40度で雨つぶを出る
    2026年10月27日
  • 芝生の上でこちらを見つめる黒いカラス
    カラスは見て決めるのがサルや人のおよそ2倍速かった 決め方の仕組みは似ていた
    2026年10月24日
シルミーの動画YouTubeで見る
  • 【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?のサムネイル【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?
  • 誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのかのサムネイル誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのか
  • サバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜のサムネイルサバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜
ショートも見る
人気記事
  • スコッチのテープ台にのったセロハンテープ
    セロハンテープをはがす音の正体は、小さな衝撃波の連続だった
  • 密林の道にとぐろを巻く巨大ヘビのイラスト
    インドの炭鉱から、全長11〜15メートルと推定される太古の巨大ヘビ
  • 固まった溶岩の地表に走る裂け目
    「大西洋のグランドキャニオン」と呼ばれる海底の谷が、途中で育つのをやめた理由
  • 緑の背景に描かれた微生物のイラスト
    細菌でがんを内側から攻める130年来の夢、細菌に「点呼」を教えた第一歩
  • 赤銅色に染まった皆既月食の月
    皆既月食の月が赤い理由 次に日本で見られるのは2029年元旦
Shirmee

知りたいを満たす科学メディア

宇宙・テクノロジー・人体・歴史・物理・生物など幅広い科学トピックを、わかりやすく深掘り。最新の研究や発見を、知的好奇心を刺激する記事でお届けします。

カテゴリー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然

キャラクター紹介

キク
キク

長い耳で、なんでも聞きたがるウサギ。気になる穴を見つけたら、すぐ首を突っ込む。

SNS

X YouTube Instagram TikTok
  • 運営者情報
  • 編集方針と訂正について
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

© Shirmee/シルミー.

目次
X YouTube Instagram TikTok