2026年1月下旬、カリフォルニア州ビッグベア。標高2,000メートルの山の上に作られた巣で、ハクトウワシのジャッキーが2つの卵を温めていた。24時間ライブカメラの向こうでは、世界中のファンが固唾を飲んで見守っている。ピーク時には同時接続数2万人を超える人気配信だ。
だがある日、予想もしない来客が訪れた。
カラスの群れが巣を襲った

ジャッキーとパートナーのシャドウが餌を探しに出かけた隙だった。カラスの群れが巣に侵入し、卵を次々と奪った。ライブカメラには、カラスがくちばしで卵をつつき、殻を割る様子がはっきりと映っていた。
カラスは非常に賢い。ワシの巣を監視して、親鳥が同時に離れる一瞬を見逃さない。繁殖期のカラスにとってワシの卵は貴重なタンパク源だ。ビッグベアのような山岳地帯では冬の食料が限られるため、こうした機会を逃さない。
コメント欄には「信じられない」「ジャッキーが可哀想」という声が殺到した。10年以上この夫婦を見守ってきたファンにとって、カメラ越しに見た卵の喪失は我が事のような衝撃だった。
2週間後、ジャッキーが再び卵を産んだ

2月11日午後2時半前。ライブカメラに映ったのは、巣の中で静かに座るジャッキーの姿だった。新しい卵が産まれた。襲撃からわずか2週間。通常、卵を失ったハクトウワシが再び産卵するには数週間から1ヶ月以上かかることもある。ジャッキーの回復の早さは、彼女の健康状態の良さを物語っている。
1つの卵は約130グラム。雌の体重の約3%だ。これを2つ産むには膨大なエネルギーがいる。シャドウが十分な餌を運び続けたおかげでもある。
2週間で再チャレンジって、ジャッキーすごい…!
カメラの映像を見ると、夫婦は明らかに警戒レベルを上げていた。巣を離れる時間が大幅に短くなり、必ず一方が巣に残る。シャドウは巣の周囲を頻繁にパトロールし、カラスが近づくと即座に追い払っている。翼を広げると約2メートル。カラスの70センチとは比べものにならない。
ジャッキーとシャドウ — 10年の物語

巣にカメラが設置されたのは2015年。ビッグベアの自然保護団体が、野生動物の生態を伝えるための教育プログラムの一環だった。それがすぐに世界中から視聴者を集め、今では24時間365日、途切れることなく配信が続いている。
「ジャッキー」の名前は地元コミュニティの一般投票で決まった。ロサンゼルスから車で2時間のビッグベアで、この夫婦は地域のシンボルになっている。地元の学校では配信を教材に、鳥類の生態や食物連鎖を学んでいる。
2015年以降、この夫婦は10羽以上の雛を育ててきた。野生のハクトウワシの繁殖成功率は約70%だが、ジャッキーとシャドウはそれを上回る。2019年には3つの卵を全て孵化させ、3羽を同時に巣立たせた。その映像はYouTubeで200万回以上再生されている。
孵化まであと35日
ハクトウワシの卵は産卵から孵化まで約35日。その間、ジャッキーとシャドウは交代で卵を37〜38度に保ち続ける。無事に孵化すれば、雛は10〜12週間で巣立つ。最初は白いふわふわの羽毛だが、成長するにつれて茶色い羽が生えてくる。あの白い頭と茶色い体の姿になるのは、実は生後4〜5年経ってからだ。
世界中のファンが今日も画面越しに見守っている。自然は時に残酷だが、ジャッキーとシャドウは何度でも立ち上がる。この小さな卵が大空を舞う日を、誰もが静かに待っている。


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