MENU
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍

ジャンル

テクノロジー 人体・
医学
宇宙・
天文
歴史・
考古学
生き物・
自然
すべての
記事

特集

身近な「なぜ?」電線の鳥はなぜ感電しない? など› 新しい研究のニュース元の論文で確かめた最新の発見›

動画とSNS

YouTube X Instagram TikTok

このサイトについて

運営者情報› 編集方針と訂正› お問い合わせ› プライバシーポリシー›

© Shirmee

Shirmee/シルミー
知りたいを満たす
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
Shirmee/シルミー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
  1. ホーム
  2. 生き物・自然
  3. パタゴニアの海岸で、戻ってきたピューマがペンギン7000羽以上を襲っていた

パタゴニアの海岸で、戻ってきたピューマがペンギン7000羽以上を襲っていた

2026 11/01
生き物・自然
2026年2月18日2026年11月1日
海岸に並ぶペンギンの群れ
🕑この記事は約9分で読めます

編集・パクト

南米大陸の南のはて、アルゼンチンのパタゴニア地方。その海岸にあるモンテ・レオン国立公園で、静かな異変が起きている。

海と陸の境目で、思いもよらない捕食者と獲物の組み合わせ——ピューマがマゼランペンギンを襲うという光景が、次々と記録されているのだ。

研究チームの推定では、2007〜2010年の4年間に7,000羽を超える成鳥のペンギンがピューマに殺されていた。

その多くは食べ尽くされていなかった。何が起きていたのか、一つずつ見ていこう。

キク

ペンギンって海の鳥なのに、どうして陸の海岸でピューマに襲われちゃうんだろう?

目次

陸の天敵がいなかった本土の海岸

まず、マゼランペンギンがどんな鳥かを知っておこう。体長は61〜76センチ、体重は2.7〜6.5キロほどの中型のペンギンだ。

アルゼンチンやチリ、フォークランド諸島の海岸で繁殖し、オスは前の年の巣穴に戻ってパートナーを待つ。繁殖期が終わると北へ移動し、冬はペルーやブラジル沖で餌をとる。

海ではアシカやヒョウアザラシがヒナを襲うことがある。一方、パタゴニアの本土の海岸には、ペンギンを襲う陸の大型肉食獣がいない時期が続いた。

マゼランペンギンは、陸の天敵がいないことから、近くの島から本土の海岸へ移って繁殖するようになったと考えられている。

この「陸は安全」という前提が、いま崩れている。

あわせて読みたい
皇帝ペンギンの命がけの「衣替え」、減る海氷の上で群れが押し合っていた 衛星画像を使った研究で、皇帝ペンギンが羽の生え変わりに使う南極の定着氷が減り、残った氷の上で群れが押し合っている様子が捉えられました。群れが本当に数を減らしたのかどうかは、まだ分かっていません。

戻ってきた王者、ピューマ

牙をむくピューマ
Photo by Caleb Falkenhagen on Pexels

ペンギンを襲っているのは、西半球で最も広く分布する野生の陸生哺乳類、ピューマだ。

クーガーやマウンテンライオンとも呼ばれるこの大型のネコ科動物は、おもに単独で行動し、待ち伏せをして獲物を追う。

パタゴニアでは羊の牧畜が広がるなかで、入植者がピューマなどの捕食者を駆除した。

ペンギンが本土の海岸で繁殖地を広げられたのは、皮肉にも人間がピューマを追い払ったためだと考えられている。1990年に南アルゼンチンで牧畜が放棄されると、ピューマはかつての生息域に戻り始めた。

そして海岸で、ペンギンと初めて接することになった。

ピューマに殺されたペンギンの数と群れ全体の成鳥の数を比べた図

「食べないのに殺す」余剰殺戮の謎

見つかったペンギンの死骸の多くは、食べ尽くされていなかった。

筆頭著者のメリサ・レラ氏(オックスフォード大学の大学院生)は「見つかった捕食の痕跡のある死骸の数は圧倒的で、しかも食べられずに残されていたことは、ピューマが食べるのに必要な数より多くのペンギンを殺していたことを意味する」と話す。

この行動には名前がある。「余剰殺戮(サープラス・キリング)」だ。1972年に動物学者ハンス・クルークが名づけたもので、肉食動物が食べられる以上の獲物を殺してしまう現象を指す。

クルークが研究していたのはブチハイエナだ。最大19頭のハイエナが82頭のトムソンガゼルを殺し、食べたのは16%ほどだった、という記録もある。

英語では「ニワトリ小屋症候群」とも呼ばれる。ピューマの食性を調べた別の研究を行ったシアンシオ氏は「ピューマは数百羽のペンギンを殺しても、食べるのはその一部だけということがある」と話す。

南アフリカのケープ州では、一頭のヒョウが一度に51頭の羊や子羊を殺した例がある。オーストラリアのタスマニアでは、犬の一度の襲撃で58羽のコビトペンギンが殺された。

なぜ「食べきれないのに殺す」のか

不可解に思えるこの行動について、研究者は、動物は殺せるときには殺す、と考えている。

理由として、子や仲間に食べ物を持ち帰るため、狩りの経験を積むため、あとで腹が空いたときに死骸を食べられるようにするため、が挙げられている。

レラ氏は、この行動を飼い猫にたとえて「これは、獲物が豊富だったり弱かったりするときの飼い猫に見られるものと似ている。捕まえやすいと、猫は結局食べない鳥まで余計に狩ることがある」と話す。

陸の捕食者に無防備だったペンギン

ペンギンの側の事情もある。マゼランペンギンはもともと、陸の捕食者がいないために島から本土の海岸へ移って繁殖してきた。

大型の肉食獣に対してほとんど無防備で、簡単な獲物になったと公式発表は説明している。

守る種どうしの板挟み

象徴的な種を守ることが別の種の犠牲になるなら守るべきなのか、という保全上の問いに、公園は直面していると公式発表は述べる。

ペンギンが本土に広がった背景について、アルゼンチン国立科学技術研究会議(CONICET)の海洋生物学者ハビエル・シアンシオ氏は「ピューマなどの捕食者を取り除いたおかげで、ペンギンはより広い範囲を使っている。それが、人間の手が加わった世界で暮らすということのパラドックスだ」と語る。

キク

人間がピューマを追い払ったからペンギンが広がれたなんて、どっちも守るのってすごく難しいんだね。

群れの将来を左右するのは繁殖の成否

7,000羽という数字は大きいが、これはコロニーの成鳥(約9万3,000羽)のおよそ7.6%にあたる。論文の要旨によると、推定された捕食数は成鳥7,087羽だった。

研究チームがこのデータをもとに群れの将来を予測したところ、ピューマだけでこのコロニーが絶滅する可能性は低かった。

群れの将来を大きく左右するのは、繁殖の成否と若い個体の生存率だった。

絶滅が予測されたのは、若い個体のおよそ2割が成鳥になれず、1つがいが育てるヒナが最大1羽しかないという厳しい条件を仮に組み合わせた場合だけで、ピューマの捕食が多いとその結果がさらに悪くなった。

論文の要旨は、ピューマの捕食が個体数の増加を遅らせうるとも述べている。

研究チームは、気候変動の影響を受ける栄養や餌、水温が繁殖にどう効くかを調べる必要があるとしている。また、個体数の減少を早めに見つけて対策につなげるため、監視を続けることを強調している。

共著者のホルヘリナ・マリーノ博士(オックスフォード大学WildCRU)は「この研究は、回復しつつある肉食動物が新しい獲物に出会うという、新たな保全課題をとらえている。こうした食性の変化が捕食者と獲物の双方にどう影響するかを理解することが、保全の方針を決めるうえで欠かせない」と話す。

2024年のシアンシオ氏らの研究を報じたSmithsonian誌では、この研究に加わっていないワシントン大学のケイティ・ホルト氏が、数十万羽にもなる大きな群れでは、一度に100羽ほど殺されても影響は大きくないだろうとみている。

ペンギンの数を人間の対策で守れた例もある。アルゼンチンのチュブ州の沿岸では、1980年代前半まで、タンカーから出る油で毎年数万羽のマゼランペンギンが死んでいたと推定されている。

1997年にタンカーの航路が20海里(約37キロ)沖へ移され、2001年の調査では油で死んだペンギンがほぼゼロになった。

参考文献
Lera M, et al. 『Shifting predator–prey dynamics at the land–sea interface: The case of Magellanic penguins and pumas』 Journal for Nature Conservation 91, 127208, 2026. DOI: 10.1016/j.jnc.2025.127208
Serota MW, et al. 『Puma predation on Magellanic penguins: An unexpected terrestrial-marine linkage in Patagonia』 Food Webs 36, e00290, 2023. DOI: 10.1016/j.fooweb.2023.e00290
Kruuk H. 『Surplus killing by carnivores』 Journal of Zoology, 1972
Oxford Biology. Are returning pumas putting Patagonian penguins at risk? https://www.biology.ox.ac.uk/article/are-returning-pumas-putting-patagonian-penguins-at-risk
Learn JR. Smithsonian Magazine, 2025. What Did Scientists Learn After Thousands of Penguins Were Slaughtered by Mountain Lions?
Wagner EL, Frere E, Boersma PD. 『Changing course: Relocating commercial tanker lanes significantly reduces threat of chronic oiling for a top marine predator』 Marine Pollution Bulletin, 2023. DOI: 10.1016/j.marpolbul.2023.115195

YouTubeでも配信中!チャンネル登録よろしくね!
生き物・自然
動物 環境 生態系 鳥
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • 猫が運ぶ寄生虫を脳で抑え込む仕組み、マウスで免疫細胞の「カギ」が見つかった
  • がん細胞で染色体が一度に「粉々」に 引き金の酵素を細胞とマウスで特定

この記事の編集者

パクトのアバター パクト

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

関連記事

  • クッションのふちから目だけをのぞかせるキジトラの猫
    猫の人見知りは主に怖さと結びつくとみられる 怖いのに近づく猫も
    2026年11月5日
  • 芝生の上で向き合う大きな犬と小さな犬
    大きな犬は老いも速い 「動く遺伝子」を抑えるDNAの目印が速く消えていた
    2026年11月4日
  • 青い海の中を泳ぐ魚の大きな群れ
    魚のDHAはどこから来るのか 珪藻を食べる原生生物が最大の供給役かもしれない
    2026年11月3日
  • 森の木の根元の土から、黄色い指のような形の大きな菌が何本も立ち上がっているイラスト
    高さ50cmの菌「D. rex」 恐竜絶滅のころに生まれたとみられる新しい科
    2026年11月1日
  • 夕暮れの空を飛ぶネッタイシマカの群れのイラスト
    メスの羽音に寄る蚊のオス、その耳をオス用に作る遺伝子が見つかった
    2026年10月29日
  • 地下のトンネルで暮らす2種のデバネズミのイラスト
    がんになりにくいデバネズミの2種、免疫の反応は大きく違っていた
    2026年10月27日
  • 草原の上にかかる虹
    虹はなぜいつも同じ色の順番なのか 赤は42度、紫は40度で雨つぶを出る
    2026年10月27日
  • 芝生の上でこちらを見つめる黒いカラス
    カラスは見て決めるのがサルや人のおよそ2倍速かった 決め方の仕組みは似ていた
    2026年10月24日
シルミーの動画YouTubeで見る
  • 【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?のサムネイル【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?
  • 誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのかのサムネイル誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのか
  • サバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜のサムネイルサバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜
ショートも見る
人気記事
  • スコッチのテープ台にのったセロハンテープ
    セロハンテープをはがす音の正体は、小さな衝撃波の連続だった
  • 密林の道にとぐろを巻く巨大ヘビのイラスト
    インドの炭鉱から、全長11〜15メートルと推定される太古の巨大ヘビ
  • 固まった溶岩の地表に走る裂け目
    「大西洋のグランドキャニオン」と呼ばれる海底の谷が、途中で育つのをやめた理由
  • 緑の背景に描かれた微生物のイラスト
    細菌でがんを内側から攻める130年来の夢、細菌に「点呼」を教えた第一歩
  • 赤銅色に染まった皆既月食の月
    皆既月食の月が赤い理由 次に日本で見られるのは2029年元旦
Shirmee

知りたいを満たす科学メディア

宇宙・テクノロジー・人体・歴史・物理・生物など幅広い科学トピックを、わかりやすく深掘り。最新の研究や発見を、知的好奇心を刺激する記事でお届けします。

カテゴリー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然

キャラクター紹介

キク
キク

長い耳で、なんでも聞きたがるウサギ。気になる穴を見つけたら、すぐ首を突っ込む。

SNS

X YouTube Instagram TikTok
  • 運営者情報
  • 編集方針と訂正について
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

© Shirmee/シルミー.

目次
X YouTube Instagram TikTok