朝の空気が、ひんやりしてきました。冬が寒いのは、地球が太陽から遠くなるから。そう思っている人は少なくありません。
先に答えを言います。地球の軸がかたむいているので、冬は太陽の光がななめに当たり、昼も短くなるからです。
じつは、地球が太陽にいちばん近づくのは1月です。ここからは、宇宙や天気を調べている所の解説とデータを使って、じゅんばんに見ていきます。
太陽にいちばん近いのは、冬の1月
夏は太陽に近いから暑い、と考える人はたくさんいます。NASAの子ども向けの解説は、この考えはもっともらしいけれど、まちがいだと書いています。
地球が太陽のまわりを回る道すじは、きれいな円ではありません。少しだけかたよっています。そのため、太陽に近いころと遠いころがあるのは本当です。
ところが北半球では、太陽にいちばん近い1月が冬で、いちばん遠い7月が夏なのです。
きょりも見てみましょう。太陽までは、いちばん近いときで約1億4700万km、いちばん遠いときで約1億5200万kmです。
差は480万km以上あります。大きな数に見えますが、太陽までのきょり全体からみれば、大きくはありません。ジョージア州立大学の物理の解説では、1年で変わるきょりは1.67%だけです。
NASAも、このきょりのちがいは、天気にあまりかかわらないと書いています。季節を分けているのは、ほかのことなのです。
ななめの光は、うすく広がる

その正体は、地球の地軸のかたむきです。地軸は、地球のまん中を上から下までつらぬく、目に見えない棒のようなものです。
地球はこの棒をまん中にして、1日に1回まわっています。だから昼と夜があります。この軸がまっすぐ立たずにかたむいていることが、季節を生みます。かたむきは23.5度です。
では、かたむくと何が変わるのでしょうか。カギは、光が地面に当たる角度です。
地球は丸いので、光がほぼ真上から当たるのは、昼の赤道のあたりだけです。ほかの場所では、光はななめに入ってきます。
光がななめに当たると、同じ光が、より広い面積に広がります。広がったぶん、ひとつひとつのところに届く光はうすくなります。
春分や秋分のころの数字があります。赤道で受けるエネルギーとくらべると、緯度45度のあたりは約70%です。北極圏や南極圏では、約40%まで下がります。
キクじゃあ東京の太陽は、夏と冬でどれくらい高さがちがうんだろう?
冬の太陽は低く、昼も短い
国立天文台の計算をもとに、東京の太陽の高さをくらべてみます。見るのは、太陽が真南に来て、いちばん高くなるときの角度です。
夏至の6月21日は77.8度です。頭の上に近い高さですね。一方で、冬至の12月22日は30.9度しかありません。冬の太陽は、空の低いところを通るのです。
太陽が低いと、光はななめに当たります。前の章で見た、うすく広がる光です。
昼の長さもちがいます。国立天文台の説明では、昼の長さは太陽の高さで決まります。高いところを通るほど、太陽が空を横切る時間が長くなるからです。
東京の夏至は、日の出が4時25分で、日の入りが19時00分です。冬至は、日の出が6時47分で、日の入りが16時32分です。
昼の長さにすると、夏至はおよそ14時間35分です。冬至はおよそ9時間45分で、4時間50分も短くなります。
うすい光が短い時間しか当たらないので、冬の地面が受けとる太陽のエネルギーは少なくなります。光の角度と昼の長さが、いっしょに働いているわけです。
なお、日の出がいちばんおそい日は、冬至の日ではありません。国立天文台によると、冬至の半月ほど後です。
かたむきの向きは、いつも同じ


Photo: NASA / Unsplash
地球は、太陽のまわりを回っています。そのあいだも、かたむいた軸は、いつも同じほうを向いています。
ジョージア州立大学の解説は、これを大きなこまにたとえています。回るこまの軸のように、地軸も宇宙の中で向きをたもつのです。
すると、6月ごろは北極の側が太陽のほうへかたむきます。12月ごろは、南極の側が太陽のほうへかたむきます。
北極の側が太陽へかたむくと、北半球は夏です。南極の側がかたむくと、北半球は冬になります。北と南は地球の反対側にあるので、季節も逆になるのです。
もし地軸がまっすぐ立っていたら、どうなるでしょう。NASAの地球観測の解説によると、今のような季節は起きません。赤道と北極・南極のあたたまり方の差が、1年中同じになるからです。
いちばん寒いのは、冬至より後の1月
冬至は、1年でいちばん昼が短い日です。それなら、12月がいちばん寒いはず。そう思うかもしれません。
気象庁の東京の平年値で、たしかめてみます。平年値は、1991〜2020年の30年分の平均です。
まず、地面に届く日ざしのエネルギー(全天日射量)です。東京でいちばん少ないのは12月で、1平方メートルあたり8.1メガジュールです。
ところが平均気温がいちばん低いのは、12月ではなく1月で、5.4℃です。12月は7.7℃でした。
夏も同じです。日射量がいちばん多いのは5月です。でも、いちばん暑いのは8月で、平均気温は26.9℃です。
冬のあいだの動きも見てみます。日射量は、11月の8.6から12月の8.1まで下がります。そのあとは1月に9.4、2月に11.5、3月に13.3と増えていきます。
平均気温は、11月の12.5℃から下がりつづけ、1月の5.4℃が底です。2月は6.1℃、3月は9.4℃と、日射量より少しおくれて上がります。
なぜずれるのでしょうか。アメリカ国立気象局の解説によると、地面や水があたたまるのに時間がかかるからです。1日の中でも、ふつういちばん暑いのは正午の数時間あとです。季節でも、同じようなおくれが起きます。
この解説が書いているのは、夏のおくれです。それでも東京のデータを見ると、冬も寒さの底が、日射量の底より後に来ています。



日ざしがいちばん弱い12月より、1月のほうが寒いんだね!
地軸がかたむいたわけ


Photo: Mike Petrucci / Unsplash
では、そもそも地軸は、なぜかたむいたのでしょうか。これは、まだたしかめられていない話です。
NASAの解説によると、ずっと昔の若い地球に、何か大きなものがぶつかってかたむいたと考えられています。
この考え方では、ぶつかった天体は「テイア」と呼ばれています。ぶつかって飛び散ったかけらは、やがて月になったと考えられています。多くの科学者が、そうみています。
冬の寒さは、太陽とのきょりではなく、光の角度と昼の長さで決まっていました。毎朝の寒さのなかに、ずっと昔の大きな衝突のあとが残っているのかもしれません。そう思うと、冬の低い太陽の見え方が少しかわってきます。



太陽とのきょりのちがいは、まったく効いていないの?
まったくゼロではありません。12月ごろは地球が少し太陽に近いので、南半球が12月(南の夏)に受けるエネルギーは、北半球が6月(北の夏)に受けるより多いと書かれています。
書いてあった所: NASA地球観測所の解説



赤道のあたりにも、夏と冬のちがいはあるの?
赤道では、正午ごろに受けるエネルギーは、季節がめぐってもあまり変わらないと書かれています。
書いてあった所: NASA地球観測所の解説



ぶつかったかけらが月になったって、確かなことなの?
確かめられたことではありません。NASAの解説も、地球に大きなものがぶつかったことを「考えられている」と書き、かけらが月になった話も「多くの科学者が考えている」という書き方にしています。
書いてあった所: NASA Space Placeの解説
参考文献:
主な資料: NASA Space Place, What Causes the Seasons?(2025年7月29日更新)
主な資料: NASA Earth Observatory, Climate and Earth’s Energy Budget
基礎知識: NOAA National Weather Service(アメリカ国立気象局)Cleveland, The Seasons, the Equinox, and the Solstices
基礎知識: HyperPhysics(Georgia State University, R. Nave), Seasons
データ: 国立天文台 暦計算室, 日の出入り@東京 2026年6月 / 2026年12月
データ: 気象庁, 過去の気象データ検索 東京 平年値(1991〜2020年)
基礎知識: 国立天文台, よくある質問「1年のうちで、日の出、日の入が一番早い日(遅い日)はいつ?」
アイキャッチ画像: Photo: Cristina Gottardi / Unsplash










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