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民間宇宙ステーション時代の幕開け! Vastが2027年に宇宙飛行士を運ぶ

2026 4/18
宇宙・天文
2026年2月26日2026年4月18日
🕑この記事は約6分で読めます

NASAは2024年12月、Vast社を第6回民間宇宙飛行ミッションの運営企業に選んだ。これまで宇宙飛行士の輸送は国家機関が独占していたが、民間企業が主体となってミッション全体を組み立てる時代に入ったのだ。

目次

民間宇宙ミッションって何が違うの?

宇宙ビジネスの未来
Photo by Vitaly Gariev on Unsplash

国家主導から企業主導へのシフト

従来の宇宙開発は、NASAやロシアの宇宙庁といった政府機関が計画から実行まですべてを管理していた。だが2020年代に入り、SpaceXが民間人を乗せた宇宙船の打ち上げに成功したことをきっかけに、状況は大きく変わった。

NASAは現在、「軌道経済の完全解放」というビジョンを掲げている。これは、宇宙空間でのビジネスを民間企業に開放し、国際宇宙ステーションを研究だけでなく商業活動の場として活用する構想だ。宇宙旅行、宇宙実験、製造業など、さまざまな企業が宇宙で事業を展開できるようになる。

Vastが選ばれた理由

Vast社は2021年に設立されたばかりの若い企業だが、すでに独自の人工重力ステーションの開発を進めている。NASAが同社を選んだのは、技術力だけでなく、宇宙ステーション運用のノウハウを蓄積する意欲を評価したためだ。

シルミー

宇宙に普通に行ける時代って、なんだかワクワクするね!

今回のミッションでは、Vast社が宇宙飛行士の選定、訓練プログラムの設計、ロケットの手配、国際宇宙ステーションでの滞在スケジュール管理まで、すべてを担当する。NASAは技術支援と安全監督に徹し、民間企業の自主性を尊重する方針だ。

2027年夏、打ち上げはどうなる?

打ち上げは2027年夏を予定している。使用するロケットはまだ正式発表されていないが、SpaceXのファルコン9またはクルードラゴンが有力視されている。宇宙飛行士は最大4名が搭乗し、国際宇宙ステーションに約10日間滞在する計画だ。

宇宙ビジネスの新しい風景

軌道経済のイメージ

Photo by Omar Ramadan on Unsplash

すでに5回の民間ミッションが実施済み

実はVast社のミッションは6回目で、すでに民間企業による宇宙飛行士輸送は実績を重ねている。2022年4月のAxiom-1ミッションでは、元NASA宇宙飛行士と3名の民間人が国際宇宙ステーションを訪問した。費用は1人あたり約5,500万ドル(約80億円)とされ、富裕層向けの宇宙旅行として話題になった。

その後もAxiom Space社が2回、SpaceXが2回のミッションを成功させている。宇宙飛行士だけでなく、企業の研究者や映画制作クルーも宇宙に滞在するようになり、国際宇宙ステーションは多様な人々が行き交う場所に変貌しつつある。

宇宙ホテル構想も進行中

Vast社の最終目標は、独自の宇宙ステーションHaven-1を打ち上げることだ。Haven-1は円筒形のモジュールで、回転させることで人工重力を生み出す設計になっている。

地球の重力は体の健康維持に不可欠だが、国際宇宙ステーションのような無重力環境では、宇宙飛行士は骨密度が低下し、筋肉が衰える。人工重力があれば、長期滞在でも健康を保ちやすくなる。Haven-1は2025年の打ち上げを目指しており、実現すれば世界初の人工重力宇宙ステーションになる。

製薬会社も宇宙を目指す

宇宙の無重力環境は、医薬品開発にも役立つ。地上では重力の影響でタンパク質の結晶がうまく育たないが、宇宙ではより純度の高い結晶を作れる。これを使えば、新薬の開発スピードが上がる可能性がある。

すでに製薬大手のメルク社やイーライリリー社が、国際宇宙ステーションで実験を行っている。Vastのミッションでも、製薬企業の研究者が搭乗する可能性があるとされている。

宇宙経済の未来はどうなる?

2030年代には宇宙ステーションが複数稼働

国際宇宙ステーションは2030年に運用終了が予定されている。その後を引き継ぐのは、Vastを含む民間企業が運営する複数の宇宙ステーションだ。

NASAは現在、Axiom Space、Blue Origin(アマゾン創業者ジェフ・ベゾスの宇宙企業)、Northrop Grummanなど、複数の企業と宇宙ステーション開発の契約を結んでいる。2030年代には、目的別に特化した複数のステーションが地球周回軌道に浮かぶ未来が見えてきた。

宇宙旅行の価格は下がるのか

現在の宇宙旅行費用は1人80億円と、一般人には手が届かない。だが技術の進歩とロケットの再利用化により、コストは急速に下がっている。

SpaceXのファルコン9ロケットは、1段目ブースターを何度も再利用できるため、打ち上げコストは従来の10分の1まで下がった。Vast社も再利用可能な宇宙船の開発を進めており、2040年頃には数千万円で宇宙旅行ができる時代が来るかもしれない。

日本企業も参入のチャンス

日本からも宇宙ビジネスに挑戦する企業が増えている。ispaceは月面着陸機を開発し、Space BDは国際宇宙ステーションへの物資輸送ビジネスを手がけている。

Vastのような民間ミッションが増えれば、日本企業も宇宙飛行士の輸送や宇宙実験サービスに参入できる可能性がある。宇宙が「特別な場所」から「ビジネスの場」に変わる転換点が、まさに今なのだ。

2027年夏、カリフォルニアの小さなスタートアップが挑む一歩は、宇宙経済の未来を大きく変えるかもしれない。国家の専有物だった宇宙が、企業と個人に開かれる時代が始まろうとしている。

参考文献:
‘Fully unlocking the orbital economy’: California company will fly astronauts to the space station in 2027
出典: Space.com

アイキャッチ画像: Photo by Max Letek on Unsplash

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宇宙・天文
2027年 Axiom Space Haven-1 NASA SpaceX Vast 人工重力 国際宇宙ステーション 宇宙ステーション 宇宙ビジネス 宇宙旅行 民間宇宙飛行 軌道経済
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シルミー編集者のアバター シルミー編集者

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

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