MENU
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍

ジャンル

テクノロジー 人体・
医学
宇宙・
天文
歴史・
考古学
生き物・
自然
すべての
記事

特集

身近な「なぜ?」電線の鳥はなぜ感電しない? など› 新しい研究のニュース元の論文で確かめた最新の発見›

動画とSNS

YouTube X Instagram TikTok

このサイトについて

運営者情報› 編集方針と訂正› お問い合わせ› プライバシーポリシー›

© Shirmee

Shirmee/シルミー
知りたいを満たす
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
Shirmee/シルミー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
  1. ホーム
  2. 生き物・自然
  3. 氷はなぜ水に浮くのか すき間の多い六角形の並びが水より軽くする

氷はなぜ水に浮くのか すき間の多い六角形の並びが水より軽くする

2026 10/15
生き物・自然
2026年10月16日
水の入ったグラスの上のほうに浮かぶ氷
🕑この記事は約9分で読めます

文・パクト

コップに氷を入れると、ぷかぷかと浮かびます。毎日のように見ている、あたりまえの光景ですね。でも、氷も水も、もとは同じ水です。どうして氷だけが浮くのでしょうか。

先に答えを言います。氷は、同じ大きさの水よりも軽いからです。凍ると、水のつぶがすき間の多い並び方になるのです。

アメリカ地質調査所(USGS)の解説によると、水が凍ると密度は約9%小さくなります。ここからは、アメリカの大学の解説も使いながら、順番に見ていきます。

目次

浮くか沈むかは「浮力」との重さくらべ

水の中に物を入れると、上へ押し上げる力がはたらきます。これが浮力です。水の中では、深いところほど水に押される力が大きくなります。浮力は、ここから生まれます。

浮力の大きさには決まりがあります。物がおしのけた水の重さと、浮力は同じになるのです。これをアルキメデスの原理といいます。

浮くか沈むかは、この浮力と物の重さを比べて決まります。ジョージア州立大学の物理の解説には、こんな例がのっています。

同じ大きさのコルクとアルミと鉛の玉を、水に入れてみます。コルクは浮き上がり、アルミは沈み、鉛はもっと速く沈みます。でも、どの玉も受ける浮力は同じです。ちがうのは、玉そのものの重さです。

つまり、同じ大きさの水より軽い物は浮きます。重い物は沈みます。氷が浮くのは、同じ大きさの水より軽いからなのです。

氷は、同じ大きさの水より軽い

「同じ大きさでくらべた重さ」を、密度といいます。USGSの解説では、決まった量あたりの重さだと説明しています。

水の密度は、ふつう1ミリリットルあたり約1グラムと表します。正確には、4.0℃の水で1ミリリットルあたり0.9998395グラムです。

大学の化学の教科書には、温度ごとの密度の表があります。1立方センチあたり、4℃の水は1.0000グラム、0℃の水は0.9998グラムです。そして0℃の氷は、0.9168グラムしかありません。

同じ0℃でも、氷のほうがはっきり軽いのです。だからコップの氷は、水に浮かびます。

ほとんどの物は、固まると重くなる

じつは、これはめずらしいことです。ほとんどの物は、液体より固体のほうが密度が大きいからです。

ほとんどの液体は、冷えると縮んで重くなります。凍ったあとも、その流れは続きます。ところが水は反対で、凍るとふくらみます。教科書は、氷を「液体より密度が小さい、とてもめずらしい固体」だと書いています。

もし水もふつうの物と同じだったら、氷は沈みます。USGSは、そうなると湖でスケートも氷の上の釣りもできない、と書いています。

水のつぶをつなぐ「水素結合」

では、なぜ水だけがちがうのでしょうか。カギは、水のつぶどうしの引き合いです。

水のつぶ(分子)は、とても簡単な形です。酸素の原子1つに、水素の原子2つがついています。

水素の原子は少しプラスの電気を、酸素の原子は少しマイナスの電気をおびています。プラスとマイナスは引き合います。そのため、となりの水のつぶの酸素が、こちらの水素に引き寄せられます。

このつぶとつぶの弱い引き合いを、水素結合とよびます。

液体の水では、つぶが転がるように動き回っています。水素結合は、切れたりつながったりをくり返しています。つぶどうしは、決まった形にならずに、ぎゅっと集まっているわけです。

凍ると、すき間の多い六角形に並ぶ

液体の水ではつぶがばらばらに集まり、氷ではすき間のある六角形に並ぶことを表した図
液体の水では、水のつぶがばらばらに集まっています。氷では六角形に並んで真ん中にすき間ができるので、水より軽くなります。

水が凍ると、ようすが変わります。氷の中では、つぶが規則正しく並びます。液体のときのばらばらな並び方とは、まるでちがいます。

このとき水素結合が、つぶを六角形の形につなぎます。六角形の真ん中には、すき間ができます。氷の並び方は、液体のときより多くのすき間をふくむのです。

すき間が多いぶん、つぶどうしは液体のときより離れています。同じ数のつぶでも、広い場所を使うわけです。だから氷は、水より密度が小さくなります。

手をつないで輪を作ると、輪の内側があいて、広い場所がいりますね。少し似ています。

ちなみに、氷には、結晶の形がちがうものがいくつもあります。凍る温度から下で主に見られるのが、この六角形の氷です。

水は4℃でいちばん重い

水には、もうひとつ変わったところがあります。いちばん重くなるのが、0℃ではなく約4℃なのです。

ふだんの温度の水は、ほかの多くの物と同じです。冷えると縮んで、重くなります。ところが4℃から0℃までは、六角形のつながりができ始めます。そのため、少しずつ軽くなっていくのです。

この間に密度が減るのは、1万分の1ほどです。ほんの少しですが、凍りかけの水を上に浮かせるには十分です。

冬の湖は、上から凍る

この性質は、冬の湖で大きな意味を持ちます。約4℃の水は、0℃の水より重いので、湖の底のほうへ沈みます。

冷たい空気にふれる水面から、湖は凍り始めます。できた氷は浮いたままで、沈みません。そのため冬のあいだも、氷の下には液体の水が残ります。魚などの生き物は、そこで冬をこせるのです。

もし氷が凍るそばから沈んだら、湖はまるごと凍ってしまいます。USGSの解説は、水が凍る温度でいちばん重かったら、湖は底から凍りうると書いています。

氷山が水の上に出しているのは約1割

USGSによると、氷の密度は水の約90%です。そのため、氷の約10%が水面の上に出ます。ただし、氷は空気をふくむことがあるので、この値は変わります。

ジョージア州立大学の解説では、水面の上に出るのは約8%です。資料によって、少しちがうわけです。

どちらにしても、氷山はほとんどが水の中にかくれています。目に見えているのは、ほんの一部なのです。

水の中に何かがとけていると、密度も変わります。塩がとけている海の水は、ふつうの水より重くなります。

沈む氷もある

氷ならどれでも浮く、というわけではありません。「重水」という水で作った氷は、ふつうの水に沈みます。

重水は、水の2つの水素の原子が、重い水素に入れかわった水です。この重い水素は、陽子1つと中性子1つを持っています。重水の氷は、ふつうの水より密度が10.6%大きいのです。

水のふしぎの大もとは、まだ議論が続いている

氷が浮く理由は、六角形のすき間で説明できます。では、水のふしぎな性質は、いちばん奥で何から来ているのでしょうか。じつは、ここはまだ決着していません。

2026年に発表された研究

2026年3月に、マックス・プランク高分子研究所が出した発表文があります。水の密度などの変わり方は、ほかの液体とまったく反対だと書いています。

この2026年の発表文によると、水のふしぎな性質の大もとは、100年以上議論されてきました。レントゲンの研究のころからです。

これまで長く考えられてきた仮説の1つが、「液体と液体の臨界点」です。とても冷たく強い力で押された水には、2種類の液体の水があるかもしれない、という考え方です。

ストックホルム大学や、韓国の浦項工科大学などのチームが、この考え方の可能性を調べました。0℃より下まで冷えても液体のままの水は、すぐに氷になってしまいます。そのため、調べるのがとても難しいのです。

チームは、氷ができる前のごく短い時間をねらいました。レーザーで2種類の特別な氷を温め、X線で中をのぞいたのです。

その結果、およそ-63℃・1000気圧に臨界点がある可能性を示した、と発表しています。チームの考え方では、ふだんの水も2種類の液体の水のあいだでゆれています。そのゆれが、ふしぎな性質を生むと考えられています。

ただし、論文の要約は、臨界点の近くを調べられた可能性を「示唆する」と書くにとどめています。言い切ってはいないのです。今のところは、まだ仮説の段階と考えておくのがよさそうです。

シルミー

氷にはすき間がいっぱいあるから、水より軽くて浮くんだね

はかせ

そうなんだ。そのおかげで、冬の湖でも氷の下に水が残るんだよ

コップの氷はありふれたものですが、湖の魚が冬をこせるのも、同じすき間のおかげです。いちばん身近な水の、そのまた奥にまだなぞが残っているところに、科学の奥行きを感じます。

参考文献:
主な資料: U.S. Geological Survey(アメリカ地質調査所)Water Science School, Water Density
主な資料: Maryville College(メリービル大学)化学の授業教科書, 8.1: Water – Some Unique Properties(Chemistry LibreTexts)
基礎知識: HyperPhysics(Georgia State University ジョージア州立大学, R. Nave), The Expansion of Water Upon Freezing / Water Density
基礎知識: HyperPhysics(Georgia State University ジョージア州立大学, R. Nave), Buoyancy / Archimedes’ Principle
基礎知識: Purdue University(パデュー大学)化学科, Hydrogen Bonding
別の研究: Max Planck Institute for Polymer Research(マックス・プランク高分子研究所)プレスリリース, X-ray laser permits insights into anomalies of water(2026年3月27日)
別の研究: You et al., Experimental evidence of a liquid-liquid critical point in supercooled water(Science, 2026)DOI:10.1126/science.aec0018

アイキャッチ画像: Photo: Giorgio Trovato / Unsplash

YouTubeでも配信中!チャンネル登録よろしくね!
生き物・自然
化学 地球科学 物理学 身近な疑問
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • 福井の恐竜の地層の貝殻に、1億2000万年前のキチンが残っていた
  • ネコと暮らす人の気分は、ネコの「絆のホルモン」の濃さと関わっていた

この記事を書いた人

パクトのアバター パクト

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

関連記事

  • 青い海の中を泳ぐ魚の大きな群れ
    魚のDHAはどこから来るのか 珪藻を食べる原生生物が最大の供給役かもしれない
    2026年11月3日
  • 森の木の根元の土から、黄色い指のような形の大きな菌が何本も立ち上がっているイラスト
    高さ50cmの菌「D. rex」 恐竜絶滅のころに生まれたとみられる新しい科
    2026年11月1日
  • 夕暮れの空を飛ぶネッタイシマカの群れのイラスト
    メスの羽音に寄る蚊のオス、その耳をオス用に作る遺伝子が見つかった
    2026年10月29日
  • 地下のトンネルで暮らす2種のデバネズミのイラスト
    がんになりにくいデバネズミの2種、免疫の反応は大きく違っていた
    2026年10月27日
  • 草原の上にかかる虹
    虹はなぜいつも同じ色の順番なのか 赤は42度、紫は40度で雨つぶを出る
    2026年10月27日
  • 芝生の上でこちらを見つめる黒いカラス
    カラスは見て決めるのがサルや人のおよそ2倍速かった 決め方の仕組みは似ていた
    2026年10月24日
  • 地面の上を転がって進む小さなヘビ
    転がって逃げるヘビ、体の後ろは大きく回っても頭はぶれない
    2026年10月23日
  • 夜空を走る稲妻
    雷はなぜ光ってから鳴るのか 光は音のおよそ100万倍速く届く
    2026年10月23日

コメント

コメントする コメントをキャンセル

シルミーの動画YouTubeで見る
  • 【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?のサムネイル【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?
  • 誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのかのサムネイル誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのか
  • サバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜のサムネイルサバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜
ショートも見る
人気記事
  • スコッチのテープ台にのったセロハンテープ
    セロハンテープをはがす音の正体は、小さな衝撃波の連続だった
  • 密林の道にとぐろを巻く巨大ヘビのイラスト
    インドの炭鉱から、全長11〜15メートルと推定される太古の巨大ヘビ
  • 固まった溶岩の地表に走る裂け目
    「大西洋のグランドキャニオン」と呼ばれる海底の谷が、途中で育つのをやめた理由
  • 緑の背景に描かれた微生物のイラスト
    細菌でがんを内側から攻める130年来の夢、細菌に「点呼」を教えた第一歩
  • 赤銅色に染まった皆既月食の月
    皆既月食の月が赤い理由 次に日本で見られるのは2029年元旦
Shirmee

知りたいを満たす科学メディア

宇宙・テクノロジー・人体・歴史・物理・生物など幅広い科学トピックを、わかりやすく深掘り。最新の研究や発見を、知的好奇心を刺激する記事でお届けします。

カテゴリー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然

キャラクター紹介

キク
キク

長い耳で、なんでも聞きたがるウサギ。気になる穴を見つけたら、すぐ首を突っ込む。

SNS

X YouTube Instagram TikTok
  • 運営者情報
  • 編集方針と訂正について
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

© Shirmee/シルミー.

目次
X YouTube Instagram TikTok