5文字の英単語を6回以内で当てる人気パズル「Wordle」。
この攻略を、シャノンエントロピーという情報理論の指標で数値化した研究が、学術誌Northeast Journal of Complex Systemsに発表された。
米ビンガムトン大学システム科学・産業工学科のチームによる論文で、授業課題から生まれたという。
大学の発表によると、情報量で単語を選ぶ方法は、シミュレーションでWordleのパズルの99%を解いた。文字の出やすさで選ぶ従来型は90%だった。
Wordleと「情報量」で正解を追う考え方

5文字を6回で言い当てる単純なルール
Wordleは、5文字の英単語を6回以内で当てるパズルだ。ニューヨーク・タイムズのゲームで、毎日何百万人もが遊んでいる。
プレイヤーが単語を入力すると、各文字に色が付く。緑は位置も文字も正解、黄は文字は合っているが位置が違う、灰色はその文字が含まれない。
研究チームを率いたのは、ビンガムトン大学システム科学・産業工学科のCongyu「ピーター」Wu助教だ。
Wu助教は授業で、情報理論を使って問題を解いてみせる課題を学生に出し、その課題が、Wordleを情報理論で解く今回の論文につながった。
キクWordleって、正解しそうな単語を選ぶのが、いちばん早く当てる近道じゃないのかな?
「正解しそうな単語」より「情報量が多い単語」
従来型の戦略は、よく使われる文字(A、E、Rなど)を含む単語を選ぶ方法だ。これに対して、情報理論を使う戦略は別の発想に立つ。
共著者で博士課程のDonald Stephens氏は、大学の発表で次のように述べている。
「この論文の微妙だが重要な洞察は、推測が最も正解らしい単語である必要はなく、情報量が多ければよい、という点です。シャノンエントロピーを使うと、目的は正解する確率ではなく、不確実性の期待される減少量を最大にすることに変わります。実際には、このやり方で、より少ない推測回数でパズルを解けることがあります」
答えに直接当てに行くより、残りの候補を大きく削れる単語を投げるほうが、少ない回数で解けることがある——という発想の転換である。
今回の研究は、この考え方での単語選びをプログラムにして、文字の頻度で選ぶ従来型とシミュレーションで比べたものだ。
鍵を握る「シャノンエントロピー」
ここで登場するのがシャノンエントロピーだ。不確実性を測る数学的な指標で、クロード・シャノンが1948年の論文『通信の数学的理論』で示した情報理論に由来する。
実際に使うには、プレイヤーがゲームとは別にプログラムを動かし、ゲームが返す色のヒントを入力する。するとプログラムが、さらに情報が得られる次の推測を返す。
Wu助教は次のように説明している。「ある時点の推測を考えてみましょう。それまでの推測で多くの選択肢が消えます。残った選択肢をもとに、ある単語を推測すると、情報の増え方が速い道筋に入れます」
この方法で選ぶ単語は、一見すると「ランダム」に見えることがある。それでも、ゲームの終わりまでに正解にたどり着く可能性は高くなる、と大学は説明している。
従来のやり方との比較
研究チームは、この情報理論ベースの戦略を、文字の頻度を重視する従来型の戦略とコンピューターシミュレーションで比較した。
Popular Scienceによると、ニューヨーク・タイムズが10億回を超えるWordleのゲームを分析したところ、最も人気のある開始単語はADIEUだった。
ただし同じ分析では、ADIEUは人気の開始単語の中で、早く解くには効率が悪い部類だった。
論文の抄録は、情報量(エントロピー)で単語を選ぶ方法が、文字の分布で単語を選ぶ経験則的な方法より成績が良かったと報告している。
大学の発表によると、シミュレーションで情報量を使う方法はパズルの99%を解き、従来型は90%だった。この数字が出た条件(使った単語リストや試行回数など)は、大学の発表には書かれていない。





Wordleでは、情報量で単語を選ぶ方法のほうが文字の出やすさで選ぶ方法よりよく解けたけど、99%と90%が出た細かい条件は大学の発表に書かれてないんだね。
授業課題が学術論文になるまで
この研究は、研究プロジェクトとして始まったのではなく、授業の課題から生まれた。
ビンガムトン大学のThomas J. Watson工学・応用科学カレッジで、Wu助教が学生に、情報理論を使って問題を解いてみせるよう求めたのが出発点だった。
最終的に、Donald Stephens氏、Mallak Alqaisi氏、Talal Aladaileh氏とWu助教の共著で、Northeast Journal of Complex Systemsに発表された。
共著者のAladaileh氏は、大学の発表で次のように述べている。「ここの授業は、概念を教えるだけではありません。実際に長く残る影響を持つ形で応用するよう、背中を押してくれます」
他のゲームにも使える基準として
論文の抄録は、この研究が、ほかのゲームでシャノンエントロピーを使うときの基準(ベースライン)になりうると述べている。
Wu助教は、この成果の価値について次のように語っている。
「特に創造的で価値があるのは、科学の分野にある静的な測定(シャノンエントロピー)を、人気のある作業をよりうまくこなすための動的な解決策に変えたことです。チームが授業の内容を深く理解していて、技術者としての才能があることを示しています」
参考文献:
Aladaileh, T., Stephens, D., Alqaisi, M., & Wu, C. (2026). Solving Wordle Using Information Theory. Northeast Journal of Complex Systems, 8(1), Article 6. DOI: 10.63562/2577-8439.1146
ビンガムトン大学 S-M-A-R-T! These researchers used math to crack Wordle
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