MENU
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍

ジャンル

テクノロジー 人体・
医学
宇宙・
天文
歴史・
考古学
生き物・
自然
すべての
記事

特集

身近な「なぜ?」電線の鳥はなぜ感電しない? など› 新しい研究のニュース元の論文で確かめた最新の発見›

動画とSNS

YouTube X Instagram TikTok

このサイトについて

運営者情報› 編集方針と訂正› お問い合わせ› プライバシーポリシー›

© Shirmee

Shirmee/シルミー
知りたいを満たす
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
Shirmee/シルミー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然
  • 検索 🔍
  1. ホーム
  2. 歴史・考古学
  3. 初期の鳥がみな空を目指したわけではなかった ジュラ紀の飛べない鳥

初期の鳥がみな空を目指したわけではなかった ジュラ紀の飛べない鳥

2026 11/01
歴史・考古学
2026年10月26日2026年11月1日
ジュラ紀の湿地のほとりの地面を走る、カラスほどの大きさの初期の鳥のイラスト
🕑この記事は約10分で読めます

文・パクト

シルミー

はかせ、鳥ってもともと空を飛ぶために進化してきたんじゃないの?

はかせ

そう思われがちだね。でも始祖鳥とほぼ同じ時代に、地面で暮らしていたとみられる飛べない鳥がいたらしいんだ。

鳥といえば、つばさを広げて空を飛ぶ生き物です。これまで、飛ぶことは今の鳥を特徴づける性質で、鳥の進化の始まりでも大きな役目を果たしたと考えられてきました。

ところが、始祖鳥とほぼ同じ時代の中国に、飛ばずに地上で暮らしていたとみられる鳥がいました。中国科学院古脊椎動物・古人類研究所(IVPP)と福建省地質科学研究院の研究者たちが、福建省で見つけた新種 Yuezhuornis yangyuanensis です。

この鳥が生きていたのは、ジュラ紀後期の約1億5000万~1億4800万年前です。論文は2026年10月14日付で、学術誌『Nature』に掲載されました。

骨を調べると、前あしは短く、手足の長さのつり合いはキジのような地上の鳥に近いものでした。それなのに口には恐竜のような歯があり、足の指には鎌のようなかぎ爪がついていました。鳥の体は、飛ぶ力を高める方向へまっすぐ進んだ一本道で作られたわけではないのかもしれません。

目次

カラスほどの大きさで、前あしが短い

化石が見つかったのは2024年で、場所は中国南東部の「政和動物群」と呼ばれる化石の産地です。見つかっているのは1体分の骨格だけです。発表文は保存の状態をとてもよいと伝えていますが、全身がそろっているわけではありません。

体の大きさはカラスくらいでした。Natureの広報の発表では体重を約821グラムと見積もっています。責任著者のワン・ミン(WANG Min)博士も取材のメールに「たぶんカラスくらいの大きさだった」と答えました。

まず目立つのは前あしの短さです。前あしは後ろあしより約3分の1短くなっていました。系統の関係を考えに入れた解析でも、前あしがとても短いことが確かめられています。こうした短い前あしは、鳥ではない獣脚類の恐竜に広く見られる状態だそうです。

これまでに知られている鳥と比べると、ここが変わった点です。今の鳥や、ジュラ紀の鳥に近い恐竜の多くは前あしが長く、それは飛び立つときにつばさが生む持ち上げる力と結びついていると説明されています。

377種の鳥と手足のつり合いを比べる

では、この鳥はどんな暮らしをしていたのでしょうか。研究チームは、骨の形や長さから暮らし方を探る計測(生態形態計測)と、たくさんの値をまとめて扱う統計の解析で手がかりを探しました。

比べる相手にしたのは、今生きている鳥377種です。手足の長さのつり合いがいちばん近かったのは、キジのように地面で暮らす種をふくむ陸の鳥たちでした。発表文では、鳥ではない恐竜の一部とも似ていたとしています。このつり合いから、地上で暮らし、飛べなかったことが示唆されました。

論文の要旨は、これらの結果を地上で暮らした飛べない鳥だったことの「強い証拠」と書いています。ワン博士は、この鳥が木の上の暮らしや湿地を歩く暮らしに特化した鳥ではなかったとみています。キジに似た体のつり合いをもつ小さな肉食の動物で、走るのに向いていたと考えているそうです。ワン博士は「そのまま比べられる今の鳥はいないと思う」とも話しています。

恐竜の歯と、鎌のようなかぎ爪

飛べない鳥の体のうち、鳥に似た所と恐竜に似た所を3つのコマで見比べた図
骨盤と後ろあしは鳥に似ていて、歯と、大きく反らせられる足の第2指のかぎ爪は恐竜に似ていました。

体のつくりを細かく見ると、鳥と恐竜の特徴が入りまじっていました。論文の要旨は、これを目を引く「モザイク」と表現しています。頭の骨には、鳥類の特徴とトロオドン類という恐竜に似た特徴がまざっていました。首から下は、より進んだ特徴をそなえています。

発表文によると、化石にはギザギザの歯が残っていました。こうした歯はふつうデイノニコサウルス類の恐竜に見られ、鳥には無いものです。デイノニコサウルス類は、ヴェロキラプトルなどをふくむ捕食性の恐竜のなかまです。

論文の図の説明では、上あごの歯は前のほうが後ろのほうより大きく、歯の後ろ側のふちにギザギザがあるとされています。

もっとも目を引くのは、足の第2指です。この指はとても柔軟で、大きく反らせることができたと推定されています。論文の図の説明によると、手がかりの一つは、ばらばらの状態で見つかった足の指の骨です。70個の指の骨と形を比べる解析で、デイノニコサウルス類の足の第2指の骨と形が同じだと分かりました。その指の先には、鎌のような形のかぎ爪がついていたとされます。ドロマエオサウルス類やトロオドン類など、デイノニコサウルス類の恐竜に特徴的なつくりです。Natureの広報の発表は、この特徴が鳥類で確かに示された例はこれまで無かったと伝えています。

ワン博士は「調べてみて、特徴の並外れた混ざり方に驚いた」と振り返ります。骨盤と後ろあしは鳥のようなのに、小さな肉食恐竜の狩りに向いた足と歯を残している、というのです。取材記事では、獲物を押さえられる曲がったかぎ爪などから、肉も食べていたと考えられると説明しています。

ワン博士は、この組み合わせが「鳥と恐竜の形の違いは、思っていたよりずっと小さい」ことを示唆していると語りました。

系統樹では始祖鳥より今の鳥の側に

この鳥は、鳥の進化の枝分かれのどこに入るのでしょうか。研究チームは、最節約法と、ベイズ法による年代つきの解析(ティップ・デーティング)という2つの方法で調べました。

共著者のジョウ・ジョンホー(ZHOU Zhonghe)博士は、結果はどちらでも一貫していたと話しています。この鳥は、今の鳥と、絶滅したその最も近い親類からなるグループ「鳥翼類」の中にしっかり入りました。位置は始祖鳥より一段だけ今の鳥の側で、Zhengheornis という鳥と姉妹群(いちばん近い親類どうし)になりました。

始祖鳥は約1億5000万年前の生き物で、多くの人に最初の鳥と考えられています。カリフォルニア大学古生物学博物館の解説によれば、今の鳥とは違って歯がそろい、胸の骨は平たく、骨の入った長い尾がありました。羽ばたいて飛べたと考えられているものの、飛ぶのは得意ではなかったようです。

今回の鳥は飛べなかったとみられるのに、その始祖鳥より今の鳥に近い位置に入ったことになります。発表文はこの鳥を、鳥の進化の歴史で知られている中で最も古い「飛ぶ力を失った例」と位置づけました。論文の要旨はもう少し控えめで、「最も早く枝分かれした鳥類の一つ」と書いています。

政和の地層から続く発見

政和動物群という名前は、2023年に同じ研究グループがつけたものです。その2023年の研究では、放射性同位体を使った年代測定と地層の調査で、化石をふくむ地層を1億4800万~1億5000万年前のものと決めました。そこでは魚やカメなど、水の中や水辺で暮らす動物が多く見つかっています。

2023年の研究で報告されたのは、Fujianvenator prodigiosus という鳥翼類です。後ろあしがとても長く、地上か水辺を歩く暮らしだったと考えられました。木の上や空の暮らしに向いた体をもつ、ほかの初期の鳥翼類とは違っていました。

さらに2025年には、同じ政和動物群から、尾の短い鳥翼類として最も古い Baminornis zhenghensis が報告されています。この2025年の研究は、鳥の起源がもっと古く、ジュラ紀のうちに初期の鳥が多様になっていたことを示唆しました。

研究には加わっておらず、この論文の査読者の一人だったフェルナンド・ノバス博士は、Natureの解説記事で、これまでの研究をふまえた見方を書いています。ノバス博士はアルゼンチンのフェリックス・デ・アサラ自然史財団の古生物学者です。飛ぶ力は、鳥に近い肉食恐竜の別々のグループで、1回ではなく何回も生まれたというものです。

見つかっている標本は1体だけ

この研究には、はっきりした弱みもあります。この種は、不完全な標本が1体知られているだけです。暮らし方や進化の中での位置をよく知るには、もっと多くの化石が必要だとNatureの広報の発表も書いています。

地上で暮らしていたという見方も、骨の形と長さのつり合いから導いた推定です。著者らは、初期の鳥があまり使っていなかった暮らしの場所(生態的ニッチ)にこの鳥がいたと考えています。

この記事は論文の全文ではなく、論文の要旨と図の説明、発表文、取材記事をもとに書きました。

シルミー

大昔の鳥って、みんな空を目指してたわけじゃないんだね。

はかせ

少なくともこの鳥は、飛ばずに地面で暮らしていたとみられるんだ。でも化石はまだ1体だけだから、これからの発見しだいだね。

鳥の歴史というと、始祖鳥から今の鳥まで、飛ぶ力をみがいていく一本の道を思いうかべがちです。鳥が生まれて間もないころに、飛ぶのをやめる道もすでに選ばれていたのだとしたら、そのあとの鳥の歴史も少し違って見えてくるのではないでしょうか。政和の地層からは初期の鳥が続けて見つかっているので、次の化石がこの鳥の暮らしぶりをどこまで裏づけるのかを待ちたいところです。

あわせて読みたい
恐竜のフンの化石に水鳥の羽、鳥が絶滅を生き延びた理由のヒントになるかもしれない フィールド自然史博物館などのチームが、白亜紀末の獣脚類恐竜の化石フンをCTスキャンで調べ、中に閉じ込められた潜水する鳥の羽毛を見つけました。この羽毛は、鳥が小惑星衝突を生き延びた理由を説明できるのでしょうか。

参考文献:
一次ソース: Xu, L., Wang, M., Lin, G. et al., Jurassic flightless bird reveals early ecological diversity of avialans(Nature 658, 690–697, 2026)DOI:10.1038/s41586-026-10972-z
研究機関: 中国科学院古脊椎動物・古人類研究所(IVPP)、福建省地質科学研究院 / 発表文: EurekAlert!「Not all early birds evolved toward better flight, Jurassic fossil suggests」、Nature 注目のハイライト「古生物学:飛べなかったジュラ紀の鳥が初期の生態的多様性を明らかにする」
取材記事: Live Science「Flightless Jurassic bird was like a carnivorous pheasant with killer claws」
別の研究: Xu, L., Wang, M. et al., A new avialan theropod from an emerging Jurassic terrestrial fauna(Nature, 2023)DOI:10.1038/s41586-023-06513-7 / Chen, R., Wang, M. et al., Earliest short-tailed bird from the Late Jurassic of China(Nature, 2025)DOI:10.1038/s41586-024-08410-z
基礎知識: カリフォルニア大学古生物学博物館「Archaeopteryx: An Early Bird」

YouTubeでも配信中!チャンネル登録よろしくね!
歴史・考古学
化石 古生物 恐竜 進化 鳥
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • 国会の審議が長い府省ほど職員の外来医療費が高い傾向 霞が関の8年間
  • 虹はなぜいつも同じ色の順番なのか 赤は42度、紫は40度で雨つぶを出る

この記事を書いた人

パクトのアバター パクト

科学メディア「シルミー」の運営者。子供の頃から宇宙や生き物の図鑑を読みあさり、大人になった今も科学ニュースを追いかける日々。海外の学術メディアから面白い研究を見つけて、日本語でわかりやすく届けることをライフワークにしています。

関連記事

  • 岩の洞窟の内側から見た、緑の草木と岩場の広がる外の景色
    ネアンデルタール人の肩甲骨に残る円い穴 木の槍で胸を突かれた跡か
    2026年10月31日
  • 遠くの海に灰色の噴煙が上がる、縄文時代の海辺のイラスト
    縄文時代の巨大噴火のあと、人口が減った地域と増え続けた地域があった
    2026年10月18日
  • 白亜紀の川辺で、灰色の火山灰の混じった川底の砂に半分埋まった二枚貝
    福井の恐竜の地層の貝殻に、1億2000万年前のキチンが残っていた
    2026年10月15日
  • 石灰岩の崖の下の岩陰に置かれた木の槍と樹皮のトレー、たき火の跡
    石灰の型や炭で残ったネアンデルタール人の木の道具 槍のほかに樹皮のトレーや棍棒も
    2026年10月12日
  • ティラノサウルスの化石の歯
    ティラノサウルスは冷血だったのか 化石の歯が示した体温は約36℃
    2026年9月22日
  • 海底に沈んだ潜水艦のイラスト
    第一次大戦で沈んだ潜水艦から、109年たった今も爆薬の成分が海にしみ出していた
    2026年9月15日
  • 氷に囲まれたフランクリン隊の船エレバス号を描いた油彩
    1859年に北極で見つかった白骨、子孫のDNAで水夫の名前が分かった
    2026年9月12日
  • 指でつまんだ小さな石の尖頭器
    ウズベキスタンで見つかった小さな三角の石、8万年前の矢じりだった可能性
    2026年9月7日

コメント

コメントする コメントをキャンセル

シルミーの動画YouTubeで見る
  • 【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?のサムネイル【太陽は燃えていない!?】なぜ太陽は46億年も光り続けられるのか?
  • 誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのかのサムネイル誰も見たことがない地球の中心を、人類はどうやって知ったのか
  • サバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜のサムネイルサバンナでなぜシマウマだけ縞なのか 〜150年解けなかった模様の理由〜
ショートも見る
人気記事
  • スコッチのテープ台にのったセロハンテープ
    セロハンテープをはがす音の正体は、小さな衝撃波の連続だった
  • 密林の道にとぐろを巻く巨大ヘビのイラスト
    インドの炭鉱から、全長11〜15メートルと推定される太古の巨大ヘビ
  • 固まった溶岩の地表に走る裂け目
    「大西洋のグランドキャニオン」と呼ばれる海底の谷が、途中で育つのをやめた理由
  • 緑の背景に描かれた微生物のイラスト
    細菌でがんを内側から攻める130年来の夢、細菌に「点呼」を教えた第一歩
  • 赤銅色に染まった皆既月食の月
    皆既月食の月が赤い理由 次に日本で見られるのは2029年元旦
Shirmee

知りたいを満たす科学メディア

宇宙・テクノロジー・人体・歴史・物理・生物など幅広い科学トピックを、わかりやすく深掘り。最新の研究や発見を、知的好奇心を刺激する記事でお届けします。

カテゴリー
  • テクノロジー
  • 人体・医学
  • 宇宙・天文
  • 歴史・考古学
  • 生き物・自然

キャラクター紹介

キク
キク

長い耳で、なんでも聞きたがるウサギ。気になる穴を見つけたら、すぐ首を突っ込む。

SNS

X YouTube Instagram TikTok
  • 運営者情報
  • 編集方針と訂正について
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • サイトマップ

© Shirmee/シルミー.

目次
X YouTube Instagram TikTok